【『キャプテン翼』の根性男・石崎了】ヘタクソを自覚する男が日本代表まで登りつめた理由とは?【キャプ翼のガッツマンに心ひかれるワケ】(1)の画像
『キャプテン翼』(集英社)2巻・書影より

 サッカー漫画の金字塔である高橋陽一氏の傑作『キャプテン翼』。1981年から『週刊少年ジャンプ』(集英社)で連載された作品で、その後『ROAD TO 2002』『GOLDEN-23』『ライジングサン』などの続編シリーズも高い人気を誇っている。

 主人公・大空翼を始め、個性豊かなキャラクターたちの繰り出す必殺シュートの印象が強いが、人間離れしたスーパープレイの部分だけが同作の魅力ではない。作者の高橋陽一氏は過去のインタビューで、石崎了のような“天才ではないキャラ”について言及。「そういう子たちでも努力すればやれるということを示したい部分は『キャプテン翼』の裏のテーマ」と語っていた。

 そこで今回は、自分のことを「ヘタクソ」と認めながら、たゆまぬ努力によって日本代表選手にまで登りつめた、石崎了という男のすごさについて解説したいと思う。

■敵主力を驚かせた「体当たりプレー」

 フィールド上での泥臭い根性プレイが、やはり石崎にとっての最大の持ち味と言えるだろう。代名詞である体を張った「顔面ブロック」でチームの窮地を何度も救っている。

 とくに印象的だったのが、中学3年生のときの全国大会の決勝戦。翼や石崎のいる南葛中は“V3”という偉業に王手をかけていた。そんな南葛中の最強の敵として立ちはだかったのが、日向小次郎率いる東邦学園だ。

 南葛のエース・翼は、肩と足にケガを抱え、万全とは言えない状態。一方の日向小次郎は、必殺シュート「タイガーショット」を引っさげて絶好調。それでも一進一退の攻防が繰り広げられた。しかし、3対3の同点で迎えた後半、東邦に決定的なチャンスが訪れる。

 ノーマークでボールをもらった日向小次郎は、完ぺきな状態でタイガーショットの態勢に。これを察知した翼が体で防ごうと飛びこんだが、日向はこの動きを読んでシュートタイミングを意図的にずらす。

 こうして日向の渾身のタイガーショットが炸裂。南葛ゴールに突き刺さるかと思いきや、顔面でブロックしたのが石崎了だ。決定的な必殺シュートをまさかの伏兵・石崎に止められた日向は、「なにィ」と驚きの声を上げていた。

 この試合中、日向のタイガーショットはポストを直撃したボールを破裂させたり、サッカー場の壁を破壊するほどの恐ろしい威力を見せていたが、そんなのおかまいなしに顔面から飛びこむ石崎のガッツにしびれた場面だ。

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