■二人同時プレイで面白さ倍増?
1984年10月に発売された『デビルワールド』(任天堂)は、前述した3作品に比べると少しだけマイナーなタイトルかもしれません。
カワイイ怪獣のようなキャラが迷路を駆け回り、ステージ上に落ちているドットを全部消したり、「バイブル」と呼ばれるアイテムを特定の位置にはめるとクリアというゲーム内容。もっとぶっちゃけると、ナムコの『パックマン』っぽいテイストの「ドットイートゲーム」でした。
ただし画面が縦横に強制スクロールするという独自仕様があって、キャラが壁に挟まれてしまうとプチッと潰されて死亡。さらに「ドクッ、ドクッ」という心臓の音のような効果音がなんとなく不気味な雰囲気を醸し出します。そんな印象もあって、当初はちょっと地味に感じていたのですが、二人同時プレイで遊ぶようになるとイメージが一変します。
『デビルワールド』では、十字架やバイブルのアイテムを取ると、炎を飛ばして攻撃が可能。この炎はプレイヤーキャラに当てることもできて、炎がヒットするとちょっとだけ行動不能になります。そうなると、この仕様を悪用して「いかに相手のミスを誘うか」というイジワルな遊び方で盛り上がるのは必然でした。
今回紹介したファミコン初期の4作品は、いずれも対戦ゲームとうたわれていないのが面白いところ。あくまで遊び方はプレイヤーに委ねるというのが、任天堂の考えだったのかもしれません。そしてその後、ファミコンには素晴らしい対戦ゲームがたくさん誕生することになります。皆さんが一番熱く盛り上がったのは、どんなタイトルでしょうか?