■作中屈指の意外な正体を持っていた卯ノ花の最期
最後は四番隊隊長の卯ノ花烈の死亡シーン。静かで落ち着いた女性である卯ノ花は、物語序盤では治癒能力を持つサポートキャラとして描かれていた。
実は彼女の本名は「卯ノ花八千流」という名前で、元十一番隊隊長の初代「剣八」であったことが明かされる。物語の最後のシリーズとなる「千年血戦篇」では、更木剣八に本来の力を取り戻させるべく修行という名の死闘を行い、その戦いの末に命を落とすこととなる。
強者同士が全力で戦い、最後に「さようなら 世界でただ一人 私を悦ばせた男よ」と残して散っていく卯ノ花は、作中でもナンバーワンのギャップを持つキャラだったと言っても過言ではないだろう。この死亡シーンは59巻で描かれており、クライマックスに近づく物語の中でも読者に強烈なインパクトを残している。
このほかにも、裏切り者の藍染惣右介の偽の死亡シーンや護廷十三隊総隊長の山本元柳斎重國の死亡シーンをはじめ、多くのキャラクターが印象的に散っていく『BLEACH』。その描き方ひとつひとつに久保氏の比類なきセンスが光っている。