■「百年後まで御機嫌よう」
次に紹介するのは、科学者同士のトリッキーな戦いから。破面編34巻で描かれた十二番隊隊長の涅マユリとザエルアポロ・グランツの戦いの決着は、ザエルアポロからすると途方もない絶望を感じるものだった。
ザエルアポロは虚夜宮の研究室にて味方サイドである阿散井恋次や石田雨竜らと交戦。多彩な能力を駆使して彼らを翻弄し終始優勢に立っていた。しかし遅れて到着したマユリと戦う中で、1秒が100年ほどに感じるという超人薬を自動投与されてしまう。
最後は、体感時間が引き伸ばされた状態でマユリに心臓を貫かれたザエルアポロ。無限ともいえる時間の中で想像を絶する苦痛を味わい続けるという恐ろしすぎる最期となった。
本人の感じた時間の長さのイメージか、最後は苦しみながら老人となった姿が描かれ、早く息の根を止めてくれと願っていたザエルアポロ。鬼畜な攻撃が印象的な彼だが、さすがにこのあわれな姿には同情してしまいそうだ。