■15年の連載を経て紡がれた、第1巻と最終巻の巻頭ポエム

 第2位になったのは10.5%を集めた、1巻の「我等は 姿無きが故に それを畏れ」。

 記念すべき第1巻の表紙を飾ったのは主人公の黒崎一護。巻頭の詩には鋭い視線の一護のイラストが添えられている。「姿無き」というのは死神を指しているのだろうが、人間の世界とは違う世界を舞台にした壮大な物語の幕開けを感じさせる詩となっている。

 選んだ人からは「“恐れ”ではなく“畏れ”となっているところがかっこいい」(46歳・女性)、「『BLEACH』という物語のすべての原点のように思う」(49歳・男性)、「コミックスを開いて感動しました。とにかくかっこいい!」(36歳・女性)というコメントが寄せられた。

 そして見事第1位に輝いたのは、最終巻74巻の「我等は 姿無くとも 歩みは止めず」。15.5%の得票率だった。

 74巻の表紙を飾ったのは10年の年月が経ち大人の姿となった一護と朽木ルキア。文面を見ればお分かりだろうが、これは1巻の詩を受けたものになっている。1巻とは「我等」という言葉に対する一護の立場が変わっているところもニクい。また1話と最終話には「DEATH&STRAWBERRY」という同じサブタイトルがついており、最終話に登場する一護やルキアの子どもたちの世代に物語が続いていることを予感させる。

 選んだ人からは「一周回ってすべてがつながった感じが心地よい」(38歳・男性)、「最後が明るい詩で感動しました」(40歳・男性)というコメントが寄せられた。

 巻頭を飾った詩は、どこか退廃的なものから希望を感じるもの、とにかく勢いのあるたったひと言のものや長文で言葉のリズム感が心地いいものまでさまざま。つい覚えて口に出したくなるような、クセになる魅力が『BLEACH』の巻頭ページには詰まっているようだ。

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