『ドラゴンボール』バトルだけじゃない!悟空と悟天にベジータとトランクス…鳥山明の圧倒的画力で描かれる「父と子」の泣ける名場面3選の画像
『ドラゴンボール』バトルだけじゃない!悟空と悟天にベジータとトランクス…鳥山明の圧倒的画力で描かれる「父と子」の泣ける名場面3選の画像

 1984年から1995年にかけて『週刊少年ジャンプ』(集英社)で連載された鳥山明氏による漫画『ドラゴンボール』。連載終了から25年以上がたった現在も国内外で高い人気を誇り、鳥山氏原作によるアニメ『ドラゴンボール超』の新作映画『ドラゴンボール超 スーパーヒーロー』が2022年4月より公開となる。

 バトル漫画の金字塔としてジャンプ黄金期を牽引した同作。強敵たちを相手に戦うワクワクドキドキの展開に、毎週のジャンプ発売を楽しみにしていた人も多いのではないだろうか。だが『ドラゴンボール』の魅力を、バトルだけで終わらせるのは少々もったいない。大人になった今あらためて読み返すと、鳥山氏のすさまじい画力やコマ運びによって、あの最強だったキャラクターたちがなんとも素直で子どもらしく描かれており、それが涙腺を刺激してくる。

 そこで今回は、『ドラゴンボール』の"父と子の泣ける名場面"として、3つのシーンをピックアップ。心温まる親子の絆について振り返ってみたい。

■1日だけ生き返ったじっちゃんとの再会

 まずは初期のエピソードから。まだ少年だった頃の悟空が、育ての親であるじっちゃんと再会するシーンだ。ドラゴンボールのありかを教えてもらうため占いババに会いにいった悟空たちは、ババお抱えの5人の戦士と戦うことになった。ドラキュラマン、ミイラくん、アックマンなどを倒したあと、最後に立ちはだかったのがお面をかぶった老人。この老人こそが、占いババの力で1日だけこの世に生き返った育ての親であるじっちゃんだった。

 当初はお面をつけていたため、悟空は相手が誰か分からず手加減なしで戦った。互角の勝負を続けていたが、悟空が本気を出すと「まいった わしの負けじゃ」「強うなったな悟空 ようここまで修行した」と降参。じっちゃんが「やれやれなさけないのう わしじゃよ」と仮面を取ろうとすると、悟空は相手がじっちゃんだったことに気づき即座に号泣してしまい、「え~んじいちゃ~~~ん!!」と抱きついてしまうのだった。

 悟空は第1話からすでに孤独の身で、世間知らずながら強く生きてきた。天下一武道会で準優勝するほどの実力を持つが、おじいちゃんとの再会ではただの子ども。わずか数コマながら、悟空が「え~ん」と泣きじゃくる姿は、死別するまでのじっちゃんとの楽しかった暮らしを想像させるには十分だった。ドラゴンボール屈指の名場面といって間違いないだろう。

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