■エグい死に方が続く『呪術廻戦』

『鬼滅の刃』と同じく令和の『ジャンプ』を引っ張っている芥見下々氏による漫画『呪術廻戦』にも忘れられないトラウマシーンが存在する。物語の序盤のキーパーソンである吉野順平の死亡シーンは、すでに『呪術廻戦』を読んだ人にとっては同作の救いのない世界観を決定づけるキツいシーンだと感じたことだろう。

 主人公の虎杖悠仁の友人となった順平はコミックス4巻で、信頼していた特級呪霊である真人に裏切られ怪物に改造させられる。その際順平の顔面は一瞬にして風船のように膨らんで大きく歪み、人間の尊厳をすべて奪われたかのような悲惨な姿になってしまった。それまでの展開で虎杖と順平が分かり合えたかと読者が安心した矢先の、容赦のない展開にトラウマを抱えた人は多そうだ。

 なお『呪術廻戦』には「ダークファンタジー」の名の通り、このほかにも敵味方関係なくエグい死亡シーンが多数登場する。これから読もうという人は気をつけてほしい。

■アニメも期待される『チェンソーマン』

 MAPPAによるアニメ制作が決定している藤本タツキ氏による漫画『チェンソーマン』では、主人公のデンジの仲間であり兄のような存在だった早川アキの悲惨な死が描かれる。

 アキは作中で早々に「最悪な死に方をする」を予言されていたが、最後はデンジが銃の悪魔になってしまったアキをあやめるという“デンジにとって”最悪な死に方だった。アキが銃の悪魔となったシーンは、これまでのデンジ、アキ、パワーの関係性を見ていた人にとっては信じたくない展開だったことだろう。

 ちなみに、コミックス4巻の表紙ではアキの背後に銃のターゲットマークが描かれており、ネット上では、これがアキが最終的に銃の魔人になるという衝撃的な展開の暗示だったと言われている。この他にも原作者の見事としかいえない伏線はまだまだ存在するので、第1部が完結した今、あらためて読み返してみると違った楽しみ方ができるだろう。

 いずれもアニメ化された(『チェンソーマン』は2022年に放送予定)、『ジャンプ』の人気を牽引する看板作品ばかり。はやっているからという理由だけで読み始めた人は、襲いくる容赦ない衝撃展開にご注意を!

  1. 1
  2. 2