■一年戦争後は投資家に転身?
避難民としてホワイトベースに乗りこんだセイラ・マスも、『機動戦士ガンダム』を代表するヒロインの一人。その正体はシャア・アズナブルの妹アルテイシア・ソム・ダイクンで、艦内では医療スタッフから通信士、パイロットなど幅広く活躍しました。
ガンダム屈指の美少女であるセイラですが、彼女の恋愛的なエピソードはほぼ登場せず。むしろアニメ内のサービスシーンで視聴者を喜ばせてくれる女神のような存在です。
ちなみに『機動戦士Zガンダム』の中には、フラウ・ボゥがアムロに「まだセイラさんのこと好きなんでしょう? ウジウジしてんだから」と冗談交じりに告げ、アムロが苦笑する場面があります。
一年戦争後、セイラは軍から完全に身をひいた様子で、『機動戦士Zガンダム』の劇中、クワトロ・バジーナを名乗っていた兄の演説を小型テレビで見ているシーンが登場。このときセイラは風光明媚な海辺の街にいました。さらに『機動戦士ガンダムZZ』では、死んだと思われていたジュドー・アーシタの妹リィナをひそかに救い、保護していたのもセイラです。
この『ZZ』の中で、セイラはブライト・ノアと再会。ブライトに「地球ではご活躍のようじゃないか」と言われ、セイラは「女ひとりでできる投資なんてたかが知れてるわ」と返答しており、どうやら投資の世界で大成功をおさめたようです。
また映像作品ではありませんが、安彦良和氏による人気漫画『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』(KADOKAWA)の中で、財団を立てて戦争孤児の救援活動をしていることも明かされています。
そんなセイラは登場時にサングラスをかけていることが多く、もしかすると周囲の視線をつねに気にしていたのかもしれません。やはりダイクンの血筋の者ということもあり、監視の目が気になったことも予想されます。そして、何かと女性関係が取り沙汰される兄と違い、セイラには異性の影が見られないのも印象的でした。(せいぜい、かつての戦友のカイ・シデンがたまに現れる程度)