1970年代後半に放映されたアニメながらいまだに高い人気を誇り、関連する作品や商品が出続けている『機動戦士ガンダム』。その劇中には物語を彩る、魅力的な女性キャラクターがたくさん登場します。主人公アムロ・レイが心をひかれたマチルダ・アジャンやララァ・スンのように、中には残念ながら戦死した女性もいますが、悲惨な一年戦争を生き抜いたヒロインたちの、“その後”が気になっている方もいることでしょう。
そこで本記事では、初代ガンダムで活躍した代表的なヒロインたちが、その後のアニメ映像作品に登場したエピソードを紹介。一年戦争以降の足跡をたどりながら、真の幸せをつかめたのかを分析してみたいと思います。
■愛らしい正統派“幼なじみ系ヒロイン”
サイド7に移り住んだアムロ・レイの隣の家に住んでいた少女がフラウ・ボゥ。アムロの幼なじみのように思われがちですが、実はサイド7に居住していた頃はハヤト・コバヤシとのつきあいのほうが長く、本来ならフラウは「ハヤトの幼なじみ」と呼んだほうが正しいのかもしれません。
ホワイトベースに乗りこんだあとも、フラウはかいがいしくアムロの世話を焼いており、彼女がアムロに恋心を抱いていたのは間違いないでしょう。当初は彼女がアムロの恋人の最有力候補と思った人が多かったと思います。
しかし、当のアムロはあまり振り向いてくれず(最終話で、アムロが「僕の好きなフラウ」と思念で語りかける場面はありましたが)、彼がニュータイプとして覚醒していくのを見ながら次第に距離を感じていく描写があります。ソロモン攻略戦で大ケガを負ったハヤトにも、フラウは「アムロは……違うわ、あの人は」「私たちとは違うのよ……」と告げていました。
そんなフラウ・ボゥは『機動戦士ガンダム』で描かれた一年戦争終結後にハヤトと結婚。続編の『機動戦士Zガンダム』では孤児であるカツ、レツ、キッカを引き取り、妊娠中であることなどが明かされます。劇場版『機動戦士ZガンダムIII 星の鼓動は愛』の最後には、地球でアムロやベルトーチカらと一緒にグリプス戦役が終わったことを見届けますが、このときカツの死はまだ伝わっていない様子でした。
さらに『機動戦士ガンダムZZ』の中では、夫のハヤト・コバヤシまで戦死。軍を離れ、大家族を作って幸せな生活が待っていると思いきや、フラウは最愛の身内を相次いで失ってしまうのです。