■「少年誌の安全弁を外したい」
──劔持さんは、編集者としてこの作品にどういう魅力を感じていらっしゃるんでしょうか。
劔持 武富さんは「モブにも人生があるんだから」ということで、ただのモブを描かないことを信条とされているんです。ちゃんと現実の世界があって、その世界の人たちを描いている物語って、実はそんなに多くないと思っていて、こんな魅力的な物語はもっと多くの人に読んでほしいし、ここからもっといろんな人に読んでほしいマンガだと思ってます。
──武富さん、連載続行が決まった今の率直なお気持ちはいかがですか?
武富 連載の続行は読者の皆さんの声援をなくしてはありえなかったことなので、心から感謝しています。ここまで持ってきたからにはなんとか、いっそう軌道に乗せていきたいですね。
──ありがとうございます。それでは最後に読者に向けてメッセージをお願いします。
武富 僕は常々、普段読み慣れているものより大人っぽいマンガに触れて感動するっていう心が、成長を望む健康的な少年の心を取り戻すことだと思っていて。だから『ハニワット』でもそういう大人っぽい体験をしてほしいと思っています。「(マンガの登場人物は)絶対に死なないだろう」というような安心感は、少年誌の思想だと思っているので、漫画アクションのような青年誌で連載させていただくのであれば、その安全弁を外していくような仕掛けを作っていこうと考えています。今後は物語的にも第3部というさらなる大決戦が控えているので、「戦いはこれからだ!」ということで! ぜひ引き続き応援していただければと思います。
(撮影/入江達也)
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■PROFILE
武富健治(タケトミケンジ)
1970年8月21日、佐賀県生まれ。幼少時よりマンガを描き、精力的に投稿や同人活動を行ったのち、1997年ビッグコミックオリジナル新人コミック大賞増刊号(小学館)にて「屋根の上の魔女」でデビュー。その後各誌での読み切り掲載が続いたが、2005年漫画アクション(双葉社)で執筆した「鈴木先生」が読み切りを経て正式連載となる。2007年「鈴木先生」で文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞を受賞。そのほか主な著作には「掃除当番」「漫画訳雨月物語」「惨殺半島 赤目村」「ルームメイト」、又吉直樹の芥川賞受賞作をコミカライズした「火花」などがある。
武富健治Twitter(@ryosuketono)
https://twitter.com/ryosuketono