■恐ろしすぎたロボ超人の行動
これまで紹介してきた2つの戦いに比べるとそこまで知名度は高くないかもしれないが、第21回超人オリンピックで戦った「ウォーズマン対ティーパックマン」は、個人的に強く記憶に残っている一戦だ。
アニメ版では、序盤猛攻に出たティーパックマンに、ウォーズマンの必殺技「スクリュードライバー」が炸裂。大ダメージを負ったティーパックマンに近づいたウォーズマンは、そのまま体を持ち上げると、ティーパックマンの頭部(カップ部分)に入っている紅茶を飲み干して勝利するという少々シュールな決着シーンだった。
しかし原作漫画のこのシーンはもっと“エグい”。ウォーズマンのスクリュードライバーで敗れるところは一緒だが、ウォーズマンはティーパックマンの頭を引きちぎって、頭部に入っている紅茶を飲んだのである。
余談ではあるが、このティーパックマンをモチーフにした「ティーパックマン紅茶」というコラボ商品が現在発売中。興味がある人はこの紅茶を飲んで、ウォーズマンの気分を味わってみるのはいかがだろうか。
アニメ化の際の“原作改変”はなるべく避けてほしいところだが、今回紹介した『キン肉マン』のショッキングな場面がそのまま映像化できなかったのは仕方がないとも思える。私のように幼い頃にアニメを見て『キン肉マン』にハマり、その後漫画を読んでさらなる衝撃を受けたというケースも多いことだろう。
また屈辱的な敗戦を喫したキャラクターは、その後フェードアウトしたり、かませ犬のような扱いになることが多々ある。しかし、ゆでたまご氏の作品の場合、過去に何度も惨敗した超人が不死鳥のごとくよみがえり、後のシリーズでカッコよく脚光を浴びるケースも少なくない。ずっと読み続けてきたファンは、そういう展開にも胸をアツくさせられるのだ。