■帰還中、唐突に訪れた不幸

 OVA『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』に登場したサウス・バニング大尉は「不死身の第4小隊」と呼ばれた名チームを率いた歴戦のエースパイロット。同作の主人公コウ・ウラキの教官として厳しく指導する一方、頼もしいベテランの先輩として慕われる人物でした。

 同作の第8話「策謀の宙域」で哨戒任務中だった強襲揚陸艦アルビオンは、シーマ・ガラハウ率いる「シーマ艦隊」と遭遇。バニングは、コウやキースとともに出撃すると、巧みな戦術で次々と敵機を撃破していきます。

 さらにバニングは、ゲルググMの指揮官機に乗ったシーマに奇襲されて少し被弾しますが、往年のエースパイロットらしい見事な操縦技術で回避。やや性能に劣るジム・カスタムで、シーマのゲルググMを撃退することに成功しました。

 しかし、アルビオンへの帰還途中、右腹部に被弾していたジム・カスタムの小さな損傷からスパークが発生。これが漏れ出していた推進剤に引火して爆発。コクピット内部に深刻なダメージを与え、最後は機体ごと爆散しました。

 歴戦の雄であるバニング大尉に訪れた、あまりにもあっけない最期。シーマとの戦いで被弾したことも映像を見返さないとよく分からないほどのささいな損傷で、最初にこのシーンを見たときは何が起こったのか分からず、呆然とした記憶があります。

 ストーリー上の都合といえばその通りなのですが、あの頼もしいバニング大尉が激闘の末の戦死ではなく、事故のような不運な最期だったのはとてもショックでした。


 ほかにも、ガンダム作品の不運な最期といえば『機動戦士ガンダム』のミハルなどを思い浮かべる人もいることでしょう。激しい戦闘の決着ではなく、唐突に起こったあっけない出来事で死を迎えるのも、ガンダム作品らしいリアルな戦争描写といえるのかもしれません。

 

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