■名メカニックの不遇すぎる結末
名パイロットの陰に名メカニックあり。ガンダムシリーズにはさまざまな名メカニックが登場しますが、やはり忘れられないのは『機動戦士Ｚガンダム』『機動戦士ガンダムＺＺ』、そして映画『逆襲のシャア』などで活躍したアストナージ・メドッソです。
『逆襲のシャア』の中では、ロンド・ベルの旗艦「ラー・カイラム」のチーフメカニックを任されていたアストナージ。その劇中、彼の恋人だったケーラ・スゥは、ギュネイ・ガスの乗るヤクト・ドーガに握りつぶされて死亡。その遺体は、アムロが「見ちゃダメだ」とアストナージを止めようとしたほどで、おそらく凄惨なものだったのでしょう。
その悲しみに暮れる間もなく、アストナージ自身にも悲劇が訪れます。被弾してボロボロになったリ・ガズィに乗りこむチェーン・アギを見つけたアストナージは、なんとか出撃をやめさせようとします。
しかしチェーンは制止を振り切って出撃し、「チェーンやめろー！」と絶叫するアストナージの目前に流れ弾が着弾。爆風で吹き飛ばされたアストナージのスーツには大穴が開いており、大量の出血も……。これがアストナージの最期の姿でした。
状況だけ見ると、アストナージは単なる戦死に間違いないのですが、宇宙世紀を代表する３作品にわたって活躍した名脇役の死にざまとしては、あまりにも淡白に描かれたことに驚きを禁じえません。
それも最愛の恋人を失った直後に自分も死亡……しかも彼の死についてはあまり細かく描写されないという扱い。カミーユやジュドーたちの良き兄貴分であり、アムロやブライトからの信頼も厚かった“整備のプロ”の最期は、「あまりにも不運で不遇」と言わざるをえないものでした。
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