ガンダム作品で起こった「不運すぎる最期」3選 ウッソの母ミューラ、アストナージ、バニング大尉の“切なすぎる死”に涙…の画像
画像は『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY BD BOX』パッケージより

「ガンダムシリーズ」の作品は、戦争を舞台にした物語だけにさまざまな悲劇も描かれています。激しいバトルの末に戦死した主要キャラクターもたくさんいますが、中には直接の戦闘とは無関係な場面であっけなく命を落とすケースも……。

 そこで今回は宇宙世紀のガンダム作品で、とくに運の悪さが災いして死に至った出来事の中から、個人的に印象的だったものをご紹介したいと思います。

■ちょっとした段差が命取りに…

 ガンダム作品では、パイロットの親が人質にされると“犠牲になる流れ”は避けられないのかもしれません。代表的なのは『機動戦士Zガンダム』の主人公カミーユ・ビダンの母親ヒルダが、ジェリド・メサ中尉に殺害されたシーンでしょう。ジェリドはヒルダが入っていたカプセルのことを知らされておらず、爆弾か何かだと勘違いしていたので、知らずに撃った彼もある意味では不運でした。

 しかし、もっと不運で凄惨な死を遂げた母親がいます。それが『機動戦士Vガンダム』の主人公ウッソ・エヴィンの母親のミューラです。彼女はモビルスーツ開発に携わった優秀な人物で、V2ガンダムの開発メンバーでもありました。そんなミューラは、ある事件をきっかけにウッソたちと敵対するザンスカール帝国に捕われてしまいます。

 そして迎えたテレビアニメの第36話。「母よ大地にかえれ」という不穏すぎるタイトルで盛大にネタバレをしている気もしますが、それ以上に衝撃的な内容でした。

 母の奪還を狙うウッソの前に、ミューラを手にしたモビルスーツ「ゾリディア」が出現。ウッソの母親を盾にしながら戦うという卑劣な戦法に出ます。ウッソたちはなんとかその敵機を行動不能にしますが、母親をつかんだまま機体は敵戦艦アドラステアの砲塔部分に引っかかりました。

 ウッソが懸命に母親の救出を試みる中、前方にいた敵艦リシテア級が地面の段差で跳ね上がって、ウッソの母親をつかんでいたモビルスーツごと踏みつぶすという、とてつもない不運が訪れます。

 その後、血の滴る母親のヘルメットだけを持ち帰ったウッソが「母さんです……」と言いながらマーベットに手渡すシーンは、アニメ史に語り継がれるほどのショッキングな映像でした。

 しかも、このエピソードでさらに不運だったのは、ミューラが死んだのとほぼ同時刻に地球連邦とザンスカール帝国の間に停戦協定が結ばれた点です。ほんのわずかでも早く停戦の報が届いていれば、こんな不運かつ不幸な出来事は回避できたかもしれないのですから……。

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