■ホラーじみた無意識領域の謎
そして善逸の無意識領域は、完全に暗闇に包まれた世界だった。精神の核を破壊しにきた少年を発見した無意識領域の善逸は、大きな枝切りバサミを手にして迫り「なんで男なんかが入りこんでやがる、クソ害虫が」「ここに入ってきていいのは禰豆子ちゃんだけなんだよ、殺すぞ」とすごみ、少年の服をハサミで切り刻んだ。
ちなみに無意識領域の善逸が洋服を着ていたことを不思議に思う声があるが、善逸の服装、こけた頬、独特の目つき、そして手にしたハサミから察するに、おそらくジョニー・デップの主演映画『シザーハンズ』のオマージュだと思われる。
そんなコミカルなシーンなので、描写に深い意味はないのかもしれないが、善逸の無意識領域が暗闇だったことについては以前からいろんな意見が飛び交っていた。
「捨て子だった善逸は心にそれだけ深い闇を抱えている」「女性にダマされて借金を背負い、女は別の男と駆け落ちしたトラウマ」「極度の男性不信の象徴」など、どれもありえそうなもっともな理由ではあるが、最近SNSで見かけた、日の下では生きられない鬼の禰豆子のために暗闇だったといった趣旨の内容がいかにも禰豆子ファーストな善逸らしい優しい理由で一番しっくりきた。