ファミコン“伝説の怪作”『暴れん坊天狗』が30年ぶりに復活 ゲームファンに衝撃を与えたSTGの怪しげな魅力とは?の画像
ファミコン『暴れん坊天狗』(編集部撮影)
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 今年7月、ファミコンソフト『暴れん坊天狗』がNintendo SwitchとSteamで復活するというニュースが発表されたとき、世界中のゲームファンの間に戦慄が走ったことでしょう。『暴れん坊天狗』とは1990年にファミコンで発売された伝説的なシューティングゲームで、世代の人なら一度くらいはそのタイトルを耳にしたことのある人もいるはず。それが約30年の月日を経て、設定資料やサントラ、さらに海外版である『ZOMBIE NATION』までセットになって、10月28日に発売されたのですから取り上げないワケにはいきません。

ファミコン『暴れん坊天狗』タイトル画面

 しかし、そんなに有名なゲームならプレイした人も多そうですが、なぜか私の回りでは実際にプレイした人はほとんど見当たりません。それなのにタイトルは語り継がれ、令和の時代によみがえったのですから、ある意味名作と言えるのかも……。

 そこで今回の復活記念に数十年ぶりに封印を解いたファミコンの『暴れん坊天狗』(メルダック)を遊びながら、その魅力を再確認してみたいと思います。

■怪しさあふれるエキセントリックなSTG!?

 19XX年、アメリカに接近した正体不明の“凶星”の影響により人々は心を失って亡者と化し、モンスターが出現するようになって混迷を極めた世界が舞台。しかし、わずかに残った心ある人々の願いが、海を越えて平和の守護神“大和の国”の天狗に届きます。天狗はアメリカを救うために、己の霊力で作った「大天狗の面」を飛ばした……というのが『暴れん坊天狗』のストーリーです。

 この内容はゲームの説明書やNintendo SwitchとSteam版の公式サイトでも確認可能。ちなみに実際ゲーム内でもストーリーが流れますが、怪文書じみた文面とおどろおどろしいBGMがとても良い味を出しているので必見です。

文面から、いかにも怪しい雰囲気が漂ってくるストーリー画面

 実は説明書にはラスボスの正体が「イーバ」という宇宙人で、イーバがダークシードと呼ばれる妖気をアメリカにまき散らし、ゾンビや伝説の巨人“ポール・バニアン”を発生させるなどの怪奇現象を起こしていた……と壮大なネタバレが載っていたりもします。そこからも分かるように『暴れん坊天狗』は「宇宙人の陰謀だ!」みたいな、ちょっと懐かしいオカルト的な雰囲気が漂う世界観で作られたシューティングゲームなのです。

 しかもゲームの自機は「大天狗のお面」というシュールすぎる絵面。並大抵のシューティングゲームに負けないインパクトを与えてくれたのも、今もなお語り継がれている理由の1つではないでしょうか。

自機が「天狗のお面」というインパクト!
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