■仲良し同士は誰と誰?
日々厳しい戦いに身を置く彼らだが、独特の交友関係もある。たとえば、甘露寺と伊黒は文通をしており(悲鳴嶼は彼らが両想いであることに気づいているということが公式ファンブックで明かされている)、女性同士のしのぶと甘露寺の2人は仲がいいようだ。しかし、甘露寺いわく「一緒にもっと遊びたいけど時間がないの」とのこと。
また公式ファンブックでは、柱が他の柱のことをどう思っているのかという設定も明かされている。冨岡はおもに相手が「話しかけてくれる」かそうでないかについて言及している。コメントを読む限り、自分から他人に話しかけることはない様子だ。
また煉獄のコメントは最後にすべて「!」がついているのが細かい。彼の快活な性格が文章にもよく現れている。いっぽう宇髄にとっては「派手」かどうかが重要なようで、柱の中で唯一時透のことを「地味」と評価している。当の時透は、柱になって日が浅いのと記憶障害のためにまだほかの柱とはあまり打ち解けておらず。彼はほかの柱のことは動物にたとえていたが、冨岡のことだけは「置き物みたい」とコメントしていた。
伊黒と不死川はお互いに「気が合う友達」「一番気が合う」と評しており、意外な仲の良さがうかがえる。二人は初対面からとても気が合っていたようだが、明るく天真爛漫な甘露寺が好きな伊黒に対し、清楚な胡蝶カナエが好きな不死川と、女性の好みだけは正反対だったようだ。
「嫌われている」としのぶにいじられている冨岡は、実際に伊黒と不死川から嫌われているようで、それぞれから「拙者不幸でござるみたいな顔しててムカつく」「自分はあなたたちとは違いますみたいな感じが鼻につく」と評価されていた。
■柱会議でもひもとける人間関係
また半年に一度開かれるという柱合会議での並び順からも人間関係がうかがえる。コミックス6巻の那田蜘蛛山での戦いの後の柱合会議では、左から伊黒、不死川、悲鳴嶼、しのぶ、時透、煉獄、宇髄、冨岡の順に並んでいた。甘露寺はかつて煉獄の継子として稽古を積んでいたので、近くに並ぶのが自然なのだろう。また15巻の柱合会議では悲鳴嶼を真ん中に、しのぶと伊黒と不死川が、冨岡と甘露寺と時透がそれぞれ近くに並んでおり、ここでも友人同士の伊黒と不死川が近くにいるのが分かる。
柱同士の並び順は特に決まっていないようなので、おのずと会話しやすい人の近くを選んでいるのかもしれない。こうしてみると柱のメンバーたちもいかにも人間らしい感情で人と接しているのが面白い。
コミックス全23巻で描かれた本編以外にも膨大な量の設定が用意されている『鬼滅の刃』。その世界観の奥深さに多くのファンが魅了されているのだろう。