2021年の大ヒット映画『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』の動画配信が10月16日から各配信サービスにて開始され、あらためてご家庭でガンダム最新作を堪能した方も多いはず。Ξ(クスィー)ガンダムやペーネロペーといった、いわゆるワンオフ機の活躍が目玉ではあるが、個人的にはグスタフ・カールのような量産機のほうについ目が行ってしまう。
そんな中、ふと飛び込んできたのが市街地の消火活動を行う「ジェガン」の姿だ。1988年公開の映画『逆襲のシャア』で初めて映像作品に登場したジェガンが、2021年公開の最新作に出てきたことに感慨を覚える。それによく考えたら、劇中の時系列で見れば『閃光のハサウェイ』よりさらに未来の『機動戦士ガンダムF91』の世界にもジェガンは登場していた。
細かなバージョンアップが行われながら、宇宙世紀にして約30年以上もの長期間にわたって正式運用されたジェガンのような量産機は珍しい部類に入るのではないだろうか。
そこで本記事では過去の映像作品に描かれた、名機ジェガンの印象的なシーンについて振り返ってみたいと思う。
■ジェガンにおける最大級の戦果?
先にも触れたとおり、映像作品にジェガンが初登場したのは1988年公開の映画『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』でのこと。ジムやネモを発展させた量産型モビルスーツという設定のジェガンは『機動警察パトレイバー』のメカデザインを手がけた出渕裕氏が関わっていることもあり、どことなくイングラム風のフォルムなのが印象的だ。
劇中ではブライト・ノアが率いる「ロンド・ベル隊」の主力MSとして運用されたが、その最大の見せ場は激戦のどさくさに紛れて、ハサウェイが無人のジェガンを無断拝借したあとに訪れる。
ハサウェイにとって友軍であるチェーン・アギが、ネオ・ジオンのクェス・パラヤが乗る「α・アジール」を撃墜したことでハサウェイが逆上。ジェガンのビームライフルを乱射して、チェーンの乗ったリ・ガズィのコクピット付近を撃ち抜いたのである。
ジェガンが劇中の主要機体を撃破した場面はあまり記憶になく、もしかすると最大の戦果(と言っていいのか謎だが)はリ・ガズィの撃破……ということになるのかもしれない。正直いろんな意味で複雑な気持ちにさせられた、忘れがたいジェガンの撃破シーンだ。