10月10日、テレビアニメ『鬼滅の刃 無限列車編』(フジテレビ系)の第1話が全国放送され、平均世帯視聴率10.0%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録。放送開始と同時に「鬼滅」関連ワードがSNSのトレンド入りをするほどの大反響を呼んだ。
この第1話「炎柱・煉獄杏寿郎」は原作コミックにも存在しない完全新作エピソードとなっており、映画の無限列車編につながる前日譚が描かれた。
テレビアニメのオリジナルストーリーということで、放送前からファンの間で大きな話題になった第1話だが、「炎柱・煉獄杏寿郎」のタイトルにふさわしく、柱として任務に就く煉獄杏寿郎の周辺を掘り下げる興味深い内容だった。
※下記記事では吾峠呼世晴氏による『鬼滅の刃』のネタバレが含まれます。コミック未読の方や、テレビアニメ第1話を未視聴の方、劇場版「無限列車編」を未視聴の方はご注意ください。
■列車内で食べていた“大量の駅弁”の意味
漫画や映画の「無限列車編」の冒頭には、煉獄杏寿郎が「うまい!」「うまい!」と言いながら大量の駅弁を食べるシーンがある。その場面を見たとき、純粋に「煉獄さんは大食いの食いしん坊キャラなんだろう」と受け取った。
しかし、あのとき煉獄が食べていた駅弁に“意味を持たせた”のが、テレビアニメの第1話ストーリーだ。煉獄に命を救われた弁当屋のおばあさんが、お礼として手渡した1つの駅弁。その代金を受け取ろうとしない弁当屋に対し、煉獄は残りの駅弁をすべて買い取ったのが、無限列車の車内で食べていた大量のお弁当につながる。
これはもちろん、お弁当をたくさん食べたかったワケではないだろう。もらった駅弁の代金がわりのお礼というだけでなく、切り裂き魔(鬼による犯行)が出現したことで不景気になり、経営難に苦しむ弁当屋の助けになりたいという想いも含まれていたに違いない。