『鬼滅の刃』鬼殺隊員の羽織に込められた「胸を打つ」背景たち、彼らの大切にしているものは?の画像
画像はジャンプコミックス『鬼滅の刃』第6巻(集英社)

 吾峠呼世晴氏による人気漫画『鬼滅の刃』には、鬼殺隊の中でも実力の高い9人の魅力的な「柱」が登場する。9月25日に地上波で初放送となったアニメ『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』では、炎柱の煉獄杏寿郎が大活躍し、お茶の間の視聴者を感動の渦に巻きこんだ。

 煉獄といえば炎柱という名の通り、燃えさかる炎のような黄色と赤の髪色が特徴。また隊服の上から腕を通さずに羽織っている羽織も、白地に炎の意匠が施されている。これは炎柱である煉獄家が代々受け継いできた由緒あるものだということがスピンオフ作品『煉獄杏寿郎外伝』の中で明かされており、彼の父の槇寿郎もかつては同じものを羽織っていたという。

『鬼滅の刃』ではストーリー本編では語られていない設定が数多く、細かな小道具のひとつひとつにも物語がある。鬼の討伐を目的とする鬼殺隊員たちは基本的には背中に「滅」と書かれた隊服を着ているが、その上に羽織る羽織にはそれぞれ裏設定があり、公式ファンブック『鬼殺隊見聞録』などで明かされてきた。今回は羽織にまつわる、胸を打つ背景を紹介しよう。

■姉の強い意志がしのぶの小さな肩に

 まずは、蟲柱・胡蝶しのぶの羽織。彼女の蝶が羽を広げたようなデザインの羽織は、姉である花柱・胡蝶カナエの形見の品。そのため、身長151センチという小柄なしのぶが着用するにはややサイズが大きいものとなっている。

 スピンオフ小説『鬼滅の刃 片羽の蝶』では、胡蝶姉妹は幼少期に両親を鬼に目の前で殺され、自身も危ういところを悲鳴嶼行冥に助けられたこと、自分たちと同じ境遇の人を減らしたいと願い、別々の育手のもとで修行を積んで2人そろって鬼殺隊に入隊した過去が描かれている。

 そんな大切な存在である姉も目の前で失ったしのぶだが「人だけでなく鬼も救いたい」と願った姉の意志を引き継ぎ、形見の羽織をまとって、姉によく似た柔らかな笑みをたたえて日々奮闘している。

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