■十二鬼月にふさわしい有能な鬼
鬼舞辻無惨の“単なる食事候補”から、十二鬼月の“下弦の壱”にまで登りつめた魘夢は、その発言や行動原理、鬼となった経緯まで含めて、鬼の中でも異質な存在に思えてならない。死の間際にようやく生来のプライドの高さがにじみ出たが、少なくても本人がそう思うにふさわしいだけの高い知性と強さを兼ね備えた鬼に見えた。
「無限列車編」では、柱ですらない炭治郎や伊之助に敗れたことで、魘夢は弱い鬼と感じた人もいるかもしれない。しかし、無惨にまったく期待されていなかったであろう最下層から、精鋭とされる十二鬼月までのし上がり、あわよくば無惨配下の頂点である上弦に手が届きそうなところまで到達できたのだから、やはり魘夢はただ者ではなかったのだろう。