『鬼滅の刃』鬼舞辻無惨の“食べ物”から大出世「下弦の壱・魘夢」が無限列車に夢見たものとは?の画像
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『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』を全7話に再構成した『テレビアニメ「鬼滅の刃」無限列車編』(フジテレビ系)が、10月10日からいよいよ放送開始となる。その第1話は鬼殺隊の炎柱・煉獄杏寿郎が無限列車に赴く道中の任務を描いた、新作エピソードとなることが発表されている。

 劇場版「無限列車編」では、鬼殺隊と2体の精鋭の鬼「十二鬼月」の戦いを中心に描かれていた。とくに炎柱の煉獄杏寿郎と上弦の鬼「猗窩座(あかざ)」の死闘がクローズアップされがちだが、主人公・竈門炭治郎たちが激闘を繰り広げた下弦の鬼「魘夢(えんむ)」も、鬼の中ではかなり異質な存在と言えるかもしれない。
 

※下記記事では「無限列車編」までのネタバレが含まれます。コミック未読の方や、劇場版を未視聴の方はご注意ください。
 

■予定外に生み出された鬼?

 鬼舞辻無惨が人間を鬼にする経緯には悲劇的な事情がかかわることも多く、鬼になった背景に同情する人も多いのではないだろうか。しかし『無限列車編』に登場した「下弦の壱・魘夢」の場合、ほかの鬼とは少し状況が異なるようだ。『鬼滅の刃 公式ファンブック 鬼殺隊見聞録・弐』の中で、魘夢が鬼になった経緯が明かされている。

 それによると小腹がすいた無惨に、人間だった頃の魘夢がはらわたを食べられてしまう。だが致命傷を受けたことで痛みを感じることはなかったようで、なぜか魘夢は「鬼の無惨をうらやみ、褒めそやした」と書かれていた。魘夢(となる人間)のその反応に、無惨がどういった言葉を返したのかは不明だが、そのときに気まぐれで魘夢を鬼にしたというのが真相のようだ。つまり魘夢は、もともと無惨が鬼にしようと思って選ばれた存在ではなかった。

 そして作中の「那田蜘蛛山編」で下弦の伍・累が死んだあと、無惨は十二鬼月の下弦のみを招集し、ふがいない下弦の鬼を次々と粛清する。無惨が下弦の鬼の解体を宣言し、ほかの鬼たちが死の恐怖に駆られる中、魘夢だけは恍惚とした表情を浮かべていたのが印象的だった。

 無惨は血を分け与えた相手の思考が読めるため、殺されそうな魘夢が「私は夢見心地で御座います」とつぶやいた言葉にウソや偽りはありえない。彼は本気で無惨の手で死ねることに喜びを感じていたのだろう。そんな魘夢の態度が気に入った無惨はさらに自分の血を分け与え、魘夢は命が助かると同時にパワーアップまで果たすことになる。

 こうした流れを見ると、無惨のような“絶対強者”に心酔する魘夢の態度は、鬼になって発現したというより、人間だった頃から一貫しているように思える。「人の不幸や苦しみを見るのが大好き」という考えも、もしかすると人間の頃から変わっていないのかもしれない。

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