■パプニカの姫君・レオナも賢者の卵として活躍

 本作のキーパーソンで、メインヒロインでもあるパプニカ王女・レオナもまた賢者の素質を持っている。

「賢者の卵」と呼ばれることもあり、回復呪文の最上位「ベホマ」の使い手でもある。さらに、結果的には失敗したものの蘇生呪文「ザオラル」まで使用した。呪文の難易度を考えると、家臣の賢者たちより強力な呪文を使用しているかもしれない。

 一方で、賢者のもうひとつの能力である攻撃呪文を使っている場面はほとんどない。一応「メラミ」や「ヒャダルコ」のような中級の攻撃呪文は使えるようだが、同じパーティのポップの魔力が強いためほぼ使われなかった。

 もちろん、レオナの真価が魔法力ではなく、一国を束ねるリーダーとしてのカリスマ性と度量の大きさにあることは言うまでもない。賢者としての活躍は多くないが、ストーリー終盤ではその器の大きさでパーティを引っ張る大活躍を果たす。

■賢者ではない!? 大魔王に立ち向かうポップ

 パーティの要であり、ダイの親友である魔法使いのポップ。今作は主人公のダイだけでなく、最初はヘタレなキャラだったポップが成長していく姿も見どころだ。ポップは魔法使いとしての実力を身につけ、終盤には伝説の金属オリハルコンでさえ消滅させる強力な呪文を習得する。それだけでも十分な戦力だが、最終決戦直前にポップは回復呪文も使えるようになる。自分の体を回復をしながら、絶大な攻撃呪文を繰り出して強敵に立ち向かう姿はゲームでなじみ深い「賢者」の姿そのもの。これまで同作で描かれてきた賢者とは違う“真の賢者”のように思えるが、ここでポップは自身を「賢者」とは名乗らない。ポップは尊敬する師・マトリフにならい、自身を「大魔道士」と呼んだのだった。

 その名に恥じない強大な魔法力と分析力をもって、呪文が効かない相手に一対一で勝利。さらに、大魔王バーンとの最終決戦では、バーンの最強呪文を無力化してみせた。間違いなく作中最強の「大魔道士」である。

『ダイの大冒険』で「賢者」の称号を持つ者は、大きな活躍はしない。しかし、「魔法使いと僧侶の呪文を扱う」という点で、ポップとマトリフはゲームにおける「賢者」と同等以上の活躍をする。現在放送されているアニメも、いよいよ終盤。最強の大魔道士の活躍から目が離せない。

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