■漫画を読んで波が押し寄せてきた養成所時代の思い出
そしてこの漫画、少女漫画といえば当たり前のようにセットになってくる恋愛なのですが、そこは今のところいっさい描かれていません。というのもまだ一巻しか出ておらず、これからどうなっていくのかはまだ分からないのですが、僕の予想ではおそらく、おそらくですよ? 描かれないんじゃないのかな? と今のところ思っています。
読めば分かるのですが、恋愛というテーマではなく『夢』に重きをおいて描かれている作品なんですね。
うみ子の夢にはいくつから挑戦したって遅くないっていうメッセージが込められていると思うし、カイたち現役学生にとっての夢には、若者たちの苦悩がリアルに描かれていて、ちょうど間の年代の僕の世代が読んでもどちらの気持ちも分かる、けしてファンタジーではない作品だなと思います。
カイはとある理由でお金が全然ないのですが、私の周りも養成所時代、みんな全然お金持ってなかったもんなぁ。みんなコンビニで150円のカップヌードルが買えないからって100円しない袋麺買ってその袋の中に直接お湯流し込んで食べてたもんなぁ。俺はちゃんとバイトして比較的お金あったから200円のカップ麺食べてたなぁ。そしたらみんな羨ましそうに見てくるからその視線に対して「これ以上のトッピングを俺は知らない」って言ったらみんな怒ってたなぁ。あのときのカップ麺おいしかったな。
そんな夢というエネルギーにあふれていた養成所時代のことを思い出すぐらいリアル。
僕は右も左も分からない状態で、お笑いという世界に飛び込んでしまい今に至るのですが、もしも「現実的じゃないから」などの理由で夢を諦めた人がいるとして、この作品を読んだらまたその眠っていた夢が大きな波となり足元をすくいにくるかもしれません。
冗談抜きでそのぐらいのパワーを持っている作品だと思います。
まだ一巻しか出ていないのですが間違いなく次来ると私は思っています。毎回言っているのですが男女、年齢問わず楽しめる作品ですので読んでみてください。