1994年から『週刊少年サンデー』(小学館)で連載がスタートし、現在も好評連載中の『名探偵コナン』。青山剛昌氏が手がけるこの推理漫画は1996年からアニメが始まり、劇場版も毎年公開されている大人気作品だ(新型コロナウィルスの影響で2020年は公開が1年延期)。
同作は単なる推理モノではなく、謎の組織に毒薬を飲まされた高校生・工藤新一がその副作用で小学生の体になるというSF的な要素も含まれている。新一は江戸川コナンを名乗って小学1年生として生活することになるが、そんなコナンの事情を知りつつサポートしているのが発明家の阿笠博士である。
“天才科学者”を自称する阿笠博士は、さまざまな発明品からゲームソフトまで開発。ヘンテコな発明品でコナンたちをあきれさせることもあるが、驚きの機能を有した便利な道具もたくさん作り出している。
そこで本記事では阿笠博士が作り出したおなじみの発明品の「すごすぎる部分」に焦点を当てて紹介したいと思う。
■“眠りの小五郎”を演出する重要な道具
「蝶ネクタイ型変声機」は声を変幻自在に変えられる、いわゆるボイスチェンジャーの一種。眠らせた毛利小五郎になりすまして、コナンが推理ショーを行うのが定番の流れだが、小五郎そっくりの声を出すために用いるのがこの発明品だ。コミックスの第1巻に収録された「アイドル密室殺人事件」のエピソードで初登場後、コナンの必須道具となった。
この発明品がすごいのは、一度聞いた声を自動的に登録してくれる機能があるところ。登録された“声”をマネる際には、変声機側の番号で切り替え可能で、これによってコナンは、毛利小五郎、工藤新一などの声を自在に使い分けることができる。ちなみに小五郎の声の番号は「59番」なので、すでに変声機にはかなりの人数の“声”が登録されているものと思われる。
また、変声機を使うときは眠った小五郎の近くでコナンが小声で話すケースが多いが、周りの人にバレる様子はない。コナン自身の声や周囲の雑音は除去して、声だけをクリアに変換する相当優秀なノイズキャンセリング機能を搭載しているのかもしれない。