本日、7月19日の30周年を迎えたスーパーファミコン版『ファイナルファンタジー4』(以下、FF4)。FFシリーズの中でも人気が高い本作のもっとも大きな特徴は、ストーリーのドラマチックさ! 恋愛要素があったり、信頼と裏切りの連続に何度も驚かされたり、涙なしには語れない感動の名シーンあり、と発売当時には珍しかった濃密なストーリー展開を夢中になってプレイしました。
そこで今回はFF4の30周年を祝し、FF4の名セリフを振り返りながら、物語後半に登場する名場面をたどっていこうと思います。
■クライマックスまで珠玉の名シーンの宝庫
●「…ごめん!」
ゴルベーザの7つのクリスタルを奪還するため、敵の根城・バブイルの塔に侵入したセシルたち一行でしたが、ゴルベーザのブレイン・ルゲイエ博士によればクリスタルはすでに地上に送られており、ドワーフたちも博士が作った巨大砲で全滅させられる運命だというのです。
せめて砲台だけでも止めるために、砲台にいたモンスターたちを倒しますが彼らは死に際に装置を破壊し、砲台が暴走を始めてしまいました。
なんとかして砲台を止めなければ、という危機的状況でヤンが突如発したのが「…ごめん!」です。
ヤンはセシルたち突き飛ばして、砲台の扉を閉ざし、1人で中に残りました。そして、「つまにつたえてくれ… わたしのぶんも いきろと!」とセシルたちに遺言を告げる、というシーンです。
この「つま」の存在がのちに大きなカギを握るという点も絶妙ですよね。ホント、FF4のストーリーやセリフ回しは作りが細かく丁寧だなと振りかえってみて改めて痛感させられます。
FF4の仲間たちはみんなそれぞれに目的や行動原理があるなかで、セシルとともに戦い、そしてセシルのために命を懸けてくれるので、本当に何度も目頭が熱くなりますし、ラスボスへの怒りも同様に高まっていきます。
結局、この砲台の爆発でヤンは死にはしませんが、こうしたドラマチックな展開は当時のRPGではほとんどなく、現代のRPGでもストーリーが凝った設定になっていたり、キャラクターたちの人生が深堀りされるようになったのは間違いなくFF4の影響が強くあったことでしょう。
●「ヤンがさみしがるといかん」
バブイルの塔脱出のイベント時には本当に名シーンがめじろ押しなのですが、私はとくにヤンが好き(戦闘時にめちゃくちゃ頼りになったから)なのでシドのこのセリフはとてもグッときました。
「いっせいいちだいの みせばじゃあ」よりもこっちのほうがむしろ印象に残っているほどです。
地上からさっそうとエンタープライズ号に乗って駆けつけ、セシルたちを救ったあと、追手から逃れるために地上と地下をつなぐ穴を封じようとしたシドが爆弾を抱えて自爆するシーンなのですが、仲間が次々に命を散らしていくのでなんでみんなそんなに自分の命を粗末に扱うんだ……!と本当に悲しい気持ちになります。
ですが、ヤン同様にシドも生きているから驚きです。この世界のおじさんたち本当にタフすぎる。
カインの「どいつも しにいそぎやがって」というセリフも相まって、本当に死んでしまったんだと思っていたので、生きている彼らと再開したときは本当に安堵しました。
ちなみにシドという名前のキャラクターはFFシリーズに何度も登場するためとてもややこしいのですが、皆さんはどのシドが好きですか? 私は「チョコボの不思議なダンジョン」シリーズのシドが好きです。