■全編通して描かれた兄妹の絆
そして、31.0%と回答者の約3分の1の人からの票を集めて第1位に選ばれたのは主人公・竈門炭治郎と竈門禰豆子の兄妹愛だった。
第1話で、炭を売りに町に出た炭治郎が翌日家に帰ると、鬼により母と弟妹たちが惨殺されていたという凄惨な展開が繰り広げられた同作。その中で唯一生き残っていたのが妹の禰豆子で、彼女は鬼にさせられていた。
炭治郎はこの後、禰豆子を人間に戻すために剣技を磨き鬼と戦うこととなる。物語の核でもある炭治郎と禰豆子の絆は随所で描かれており、禰豆子の入った箱を背負いながら行動する炭治郎の姿や、ときには身をていして兄を守ろうとする禰豆子の、互いを思いやる美しい兄妹愛に胸がギュッと締めつけられた人も多いのではないだろうか。
中でも印象的なのは下弦の伍・累との戦いで禰豆子が初めて血鬼術を使えるようになるシーンだろう。アニメ19話「ヒノカミ」では「竈門炭治郎のうた」が流れる中、深層意識で死んだ母に会った禰豆子が兄を救うために覚醒するシーンが、演出・作画ともに鳥肌もののクオリティで描かれ、「神回」と評判となった。
選んだ人からは「どんなときでもお互いのことを信じ合う兄妹愛の強さに感動」(17歳・男性)、「冒頭、禰豆子が鬼化しても炭治郎を襲わなかったシーンにすべてが詰まっていたように思う」(22歳・男性)、「炭次郎の禰豆子を思う気持ちが本物だと感じるから。何があっても妹を思う心に涙した」(27歳・女性)、「全体を通して、忘れかけていた純粋な家族愛・兄妹愛を見られたから」(44歳・男性)という意見が寄せられた。
3位までのランキング結果は以上となったが、コミックス全23巻分の中で描かれたシーンの数々には、読者の数だけいろいろな思い入れがあるようで、4位以下にもさまざまなキャラの名前が挙がった。あなたのお気に入りのシーンはありましたか?