■BGMから感じる「ただのコピーにしない」意気込み

 また、注目すべきはBGMだ。主題歌「Trigger」はサビの雰囲気や裏メロに、ところどころ「TAKE ME HIGHER」のオマージュを感じる曲だが、劇伴の神秘的な雰囲気を醸す女性のコーラスや、オーケストラのような要素は、むしろティガよりも『ウルトラマンガイア』に近い。

 ネットの声を見てみると、『ガイア』に登場したウルトラマンアグルのテーマ「アグル降臨」を思い出す人も少なからずいた。これはトリガーの劇伴を担当する坂部剛氏が、『ガイア』を筆頭に多くの作品を手がけた佐橋俊彦氏のアシスタントであることが大きく影響していると思われる。劇伴が違うため、必然的に番組の空気感も変わっていくだろう。

 25年前、「平成初のテレビシリーズ」「主演がジャニーズ」「主題歌もジャニーズソング」「従来の常識を覆す世界観や設定」といった『ティガ』第1話が視聴者に与えた衝撃はすさまじい。

 しかし、『トリガー』も、それに負けないインパクトを与えた第1話となったのではないだろうか。まるで劇場版のような、精巧な火星の大地をイメージしたミニチュア特撮。最新のCGを駆使した、迫力あるアングルとスピード感あふれるバトルシーン。雨でぬかるんだ泥にまみれ汚れるトリガーの姿は、ショッキングかつ映像として非常に印象に残る。

 第1話ということもあり、防衛チーム「GUTS-SELECT」についてなど、まだまだ全貌が見えなかったウルトラマントリガー。令和の子どもたちにとって、一生の思い出となるヒーローになってほしいーー。

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