『機動戦士ガンダム』シリーズの最新映画『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』が6月11日から劇場公開。同作の主人公ハサウェイ・ノアは、宇宙世紀のガンダムシリーズではおなじみの名艦長ブライト・ノアの息子である。
ブライトは、一年戦争終結後にホワイトベースのクルーだったミライ・ヤシマと結婚。ハサウェイとチェーミンという二人の子どもにも恵まれる。
実はガンダムシリーズの中で恋人関係にあるキャラクターは多いものの、ブライトのように結婚までしたキャラクターは意外と少ない。そこで本記事ではガンダムシリーズの作中で“結婚”が描かれた印象的なカップルを紹介したい。
■女性関係者が多い部隊長とテストパイロットの夫婦
まず紹介したいのは『機動戦士Vガンダム』に登場するオリファー・イノエ、マーベット・フィンガーハット夫妻。同作は1993年から94年にかけてテレビ放映され、多くの登場人物が非業の死を遂げたことでも知られる作品だ。
オリファーは、レジスタンス組織「リガ・ミリティア」の実働部隊であるシュラク隊の隊長。シュラク隊は隊長を除くと女性のみで構成された部隊で、中にはオリファーに好意を寄せる隊員もいたので、当時恋人だったマーベットにはそれがおもしろくなかったようだ。
一方、マーベットはリガ・ミリティアのテストパイロットではあったが、シュラク隊の所属ではなかった。彼女は良きお姉さんとして主人公ウッソ・エヴィンをサポートし、物語の終盤ではホワイトアーク隊、シュラク隊のまとめ役のような存在として戦争終結に貢献する。
そして恋人同士だったオリファーとマーベットは、マケドニア・コロニーで捕虜となった際に結婚式を挙げる。これには看守たちを油断させる狙いもあったが、結婚式自体は本物だった。
ガンダムの作中で結婚シーンが描かれることは珍しいが、やはり戦争モノにおいて婚約や結婚は死亡フラグなのかも……。その直後の作戦でオリファーはバイク戦艦「アドラステア」に特攻をしかけて壮絶な戦死。オリファーが「オレたちの子どもを頼んだぞ!」とマーベットに向けて独白する場面もあった。
凄惨な死亡シーンが多い『Vガンダム』だが、最終話ではマーベットのおなかが大きくなった姿が描かれており、赤ん坊だったカルルの成長なども描写されている。いろんな意味で“命”について考えさせられた名作と言えるだろう。