アムロ、シャアじゃない!? 歴代ガンダム「モビルスーツ最多乗り換えキャラ」ジェリド搭乗機を振り返るの画像
『機動戦士Zガンダム 星を継ぐ者』DVDパッケージより

 6月11日に映画『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』がついに公開となった。1979年からテレビ放送がスタートしたアニメ『機動戦士ガンダム』シリーズ。ガンダムシリーズといえば、戦争を通して描かれる登場人物の人間ドラマが魅力だが、それ以外にもモビルスーツの美しいデザインも楽しみのひとつ。物語が展開される中で最新鋭の機体が開発されたり、またはそれまで乗っていた機体が撃破されたりなど、そのたびに新しくモビルスーツを乗り換えるシーンはワクワクするもの。

 そこで気になるのは「歴代のガンダムシリーズで、もっとも多くモビルスーツを乗り換えたのは誰だったのか」という点だ。小説やゲームなどを除外し、映像化されたものだけでカウントすると、『機動戦士Zガンダム』のジェリド・メサ、『機動戦士Vガンダム』のクロノクル・アシャー、『新機動戦記ガンダムW』のトロワ・バートンの3名が搭乗機数7体でトップとなる。

 アムロ・レイやシャア・アズナブルも多くの機体を乗り換えてきたキャラだが、1つの作品のみで機体数をカウントすると、彼ら3名がもっとも多い。その中でもクロノクルは拿捕したVガンダムに乗っただけ、トロワもスポット的に他の機体に乗っただけで、純粋な意味で乗り換えたとは言い難い。「1作での最多搭乗機数」となると、ジェリド・メサ中尉が一番となりそうだ。

■カミーユとの因縁を生んだ「ガンダムMk-II」と「ハイザック」

 ジェリドが初めて搭乗したモビルスーツは「ガンダムMk-II」。すぐに主人公・カミーユに奪われるこの「ガンダムMk-II」は、『機動戦士ガンダム』のメイン機「RX-78ガンダム」を発展させた機体で、ティターンズの最新鋭技術を投入した「ムーバブルフレーム」採用のモビルスーツだ。

 ジェリドは「ガンダムMk-II」のテストパイロットとしてティターンズに採用されていたが、訓練中に墜落事故を起こした隙にカミーユにモビルスーツを盗まれてしまう。もともとこのモビルスーツ強奪事件は、ジェリドが民間人のカミーユに「女の名前なのに、なんだ男か」と言い放ち、ケンカを売ったうえに顔面を足蹴にしたことで恨みを買ったことがきっかけ。カミーユとの長い因縁が始まった、その後のジェリドの不運を予期させる象徴的なモビルスーツなのだ。

 奪われた「ガンダムMk-II」を奪還すべく、次にジェリドが搭乗するのは地球連邦軍の量産機「ハイザック」だ。「ザクII」をベースに、地球連邦軍とアナハイム・エレクトロニクス社が共同開発したモビルスーツで、『Zガンダム』で描かれる戦争・グリプス戦役を最後まで戦い抜いた名機である。

 テレビアニメではカミーユの乗る「ガンダムMk-II」が爆弾の入ったカプセルを回収する作戦に起用されたジェリドは「ハイザック」で狙撃する。しかし、カプセルに入っていたのは爆弾ではなく、実はカミーユの母親であるヒルダ・ビダンだった。ジェリドはそうとは知らずに、カミーユの目の前で母親を殺害してしまうのだった。

 ジェリドは早々にハイザックから次の機体に乗り換えるが、その後のジェリドが罪悪感にさいなまれるシーンがあった。ジェリドといえばプライドが高く、いつも人をバカにしたようなエリートキャラだが、その一方で素直で実直な一面も描かれていた。

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