1968年に『少年ジャンプ』という名で月2回刊誌として創刊し、翌1969年より週刊誌となってから、少年漫画の第一線を駆け抜けてきた『週刊少年ジャンプ』(集英社)。バトルものやファンタジー、ラブコメからギャグにいたるまでジャンルは幅広く、数多くの名作が誕生した。キャラクターメイクやストーリーはもとより、表紙に描かれたカラーイラストや大迫力の見開きページなど、各作家の絵を食い入るように見たことがある読者は少なくないはず。
そこで今回は、そんな『ジャンプ』作品の「作画力」についてあらためて着目。30代から50代の男性300人にアンケート調査を行い、「これまで読んだジャンプ漫画で“絵のうまさ”に感動した作家」を1名ずつ挙げてもらった。上位に名前が上がった漫画家を、代表作とともにランキング形式で紹介したい。(アンケートサイト「ボイスノート」調べ)
■ジョジョに「唯一無二の世界観」
まず全体の9.3%の人から票を集めて第3位に選ばれたのは、1987年にシリーズがスタートした『ジョジョの奇妙な冒険』で知られる荒木飛呂彦氏。
初期は劇画タッチだった荒木氏の作画。ジョジョ立ちとも呼ばれるスタイリッシュで独創的なポージングや「ズキュウウウン」「メメタァ」など初めて聞くような書き文字を多用し、色彩豊かなカラーイラストなどで他作家とはまったく違う世界観を楽しませてくれる。
国内だけでなく、海外でも荒木氏の漫画は高く評価され、2009年にはフランス・ルーヴル美術館で実施されたテーマ企画展『小さなデッサン展-漫画の世界でルーヴルを-』で『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』を展示。日本の漫画家初の偉業を成し遂げた。またファッションブランドのグッチとのコラボも行っている。
選んだ人からは「唯一無二の絵だと思う。カラーイラストはずっと見ていたくなる美しさ」(32歳)、「いつ読んでも前衛的で新しいから」(33歳)、「センスの塊」(40歳)、「あの書き込み量をよく週刊誌で、と驚かされた」(45歳)というコメントが寄せられた。
『ジョジョ』シリーズは現在第5部までアニメ化されており、今年4月には第6部『ジョジョの奇妙な冒険 ストーンオーシャン』のアニメ化決定が発表。今後もさらに、ジョジョのファン層を広げていきそうだ。