■親友が信頼を寄せた「気のコントロール」
最後に紹介したいのは戦った相手ではなく、味方の悟空がクリリンを頼りにした場面だ。
ベジータとの死闘で起死回生の元気玉を狙った悟空は、放つ寸前でベジータの攻撃を食らってしまう。さらに大猿状態のベジータに体を握りつぶされ、ボロボロの悟空が痛めつけられているのを見て、怒った悟飯が覚醒。ヤジロベーによって尻尾を切り落とされたベジータは元の姿に戻っており、悟飯と激闘を繰り広げた。
その間、瀕死の悟空はクリリンを呼び、集めた元気玉を託す。地球中から集められた気を手わたされたクリリンは、いきなり元気玉を作り出すための“気のコントロール”を任されるのだった。
このとき悟空は「がんばってくれ…」「この気のコントロールは悟飯じゃできない…」とクリリンに告げ、サイヤ人の血を引き、ベジータと互角の攻防を繰り広げていた息子ではなく、親友であるクリリンに重大な役割を頼んだのである。
そして悟空の期待に応えて、ぶっつけ本番で見事元気玉を作り出すことに成功したクリリン。これまでさまざまなエネルギー波を巧みに操ってきたクリリンの実力をよく知る悟空だからこそ信頼して大役を任せ、クリリンもまたその悟空の信頼に応えてみせたシーンだった。
以上のように、いろんな強者から戦闘センスを評価される場面があり、長いつきあいの悟空も信頼を寄せていたクリリン。けして作中最強の戦士ではないかもしれないが、物語の要所で重要な役割を担い、その活躍から目が離せない魅力的なキャラクターなのは間違いない。