■無慈悲な王子を感心させた戦い
地球にサイヤ人のナッパとベジータが襲来したとき、クリリンは地球を代表する戦士として立ち向かう。サイバイマンの自爆攻撃で仲間のヤムチャが死亡すると、怒りにふるえるクリリンは強烈な拡散エネルギー波を発射。逃した1匹を除いて、この一撃でサイバイマンを一網打尽にした。
そしていよいよナッパとの絶望的な戦いが開始。構えたナッパが力を込めると大地が震えたほどで、ナッパの攻撃をガードしようとした天津飯は、その強烈な一撃で左腕ごともぎ取られるという衝撃シーンもあった。
自爆したチャオズ、気功砲で力尽きた天津飯、頼みの綱のピッコロも失神する中、クリリンは孤軍奮闘。悟飯の窮地を救うとともに、軽やかな動きでナッパから距離をとる。
そのクリリンの軽快かつアクロバティックな回避動作を見たベジータは「ほう! 動きだけはなかなかのものだ」と率直に称賛した。
さらにクリリンは円盤状にした気を放ち、鋭利なカッターのように物質を切断する「気円斬」という新技を披露。これを見たナッパが「くだらん技だ!」と受け止めようとしたところ、ベジータが「ナッパよけろーっ!!!」と叫んだことで直撃を回避。このベジータのとっさの助言がなければ、クリリンはナッパに勝利していた可能性すらあった。
圧倒的な実力を誇るベジータから見れば、クリリンなど取るに足りない存在だっただろう。そんな地球人の動きをわざわざ褒め、気円斬という技の危険性を大声で仲間に伝えたところからも、ベジータがクリリンの戦闘センスをそれなりに評価していると感じた場面だった。