長年見守ってきた漫画の最後の最後で、ずっと主人公と結ばれると思われていたメインヒロインが他のキャラクターと結ばれるという展開を目にしたことはないだろうか。もちろんどのキャラクターを応援しているかでこのときのガッカリ度・興奮度は変わってくるが、意外なカップル誕生に驚いた経験のある人も少なくないはず。
恋愛をメインに描いた青年誌漫画や少女漫画ではこうした展開もある程度は覚悟ができるが、少年漫画で意外なキャラとのエンディングを目の当たりにすると衝撃はすさまじい。そこで今回は『週刊少年ジャンプ』(集英社)で連載された漫画で、読者を驚かせた「主人公と結ばれなかったヒロイン」を3人紹介したい。以下は各漫画の物語ラストのネタバレも含んでいるので、気になる方はご注意いただきたい。
■まさかの西野エンドとなった『ジャンプ』ラブコメの金字塔
まずは『ジャンプ』のラブコメの金字塔との呼び声も高い、河下水希氏による漫画『いちご100%』。
魅力的なヒロインたちの間で揺れる主人公・真中淳平の恋愛模様と青春が描かれた同作。第1話から「いちごパンツの女の子」の正体として登場し、これまでともに夢を語りあったヒロインの東城綾と結ばれると思いきや、最終回で真中が選んだのは、学校のアイドル的存在として登場したもうひとりのヒロイン・西野つかさだった。
登場人物たちの中学・高校生活を描く中で、真中は2度にわたり西野と破局と復縁を繰り返していたが、物語のクライマックス付近で2人は正式に別れてしまう。そして月日が流れ大学進学後の姿が描かれ、真中が空港に迎えに行ったのはフランス留学から帰国した西野だった。
この展開にはリアルタイムでドキドキした読者も多かったのでは。なお、東城は若くして人気小説家として名をはせており、彼女は彼女で幸せそうな姿を見せた。
『いちご100%』にはさまざまなタイプの美少女が登場したが、連載期間の3年以上にわたってけなげな東城を応援していたファンにとってはかなりショックな展開となったのではないだろうか。作者の河下氏本人もコミックス19巻で「当初真中には綾をくっつける形での幕引きを予定していた」とコメントしている。しかし真中にしてみれば、どちらを選んでもポテンシャルの高い美女ばかり。うらやましい限りである。