『北斗の拳』何者にも屈さず飄々…南斗五車星・最強の男「雲のジュウザ」の生き様に憧れての画像
画像は『北斗の拳 究極版』(徳間書店)第8巻・書影より

 かつて『週刊少年ジャンプ』(集英社)にて連載された、80年代を代表するバトル漫画『北斗の拳』(原作:武論尊、作画:原哲夫)。アニメやゲーム、はたまたスピンオフ作品まで生まれるほどの人気タイトルで、リアルタイム世代の我々は、いまだにお酒の席などで『北斗の拳』の話題で盛り上がることもあるほどだ。

 魅力あふれる男たちがたくさん登場する『北斗の拳』には、読者それぞれの「お気に入りのキャラクター」が存在するはず。ケンシロウやラオウといったメイン級のキャラはもちろん人気だが、連載開始35周年を記念して『月刊コミックゼノン』(コアミックス)で行われた「北斗の拳 国民総選挙」というランキングで、そのケンシロウを上回る順位を獲得したのが「ジュウザ」というキャラクターだ。

 そこまで出番が多かったワケではないのに、いまだに多くのファンから愛されているジュウザ。私自身も『北斗の拳』でもっとも憧れたジュウザの魅力に、あらためてスポットを当ててみたい。

■「雲のジュウザ」と呼ばれる、南斗五車星最強の男

 ジュウザは南斗五車星の1人で、天才的な拳の才の持ち主。その実力の高さはラオウやトキに匹敵すると言われたほどだった。

 そのジュウザの用いる拳法は“我流”というのが、また彼らしい。「わが拳は我流 我流は無型!!」「無型ゆえにだれにも読めぬ!!」と言い放ったシーンにしびれた人は多いのではないだろうか。

 そんなジュウザは、ケンシロウやラオウと同様にユリアに恋した男の1人である。しかしユリアが腹違いの妹であることを知るとショックを受け、何にもとらわれない世捨て人のような生活を送りはじめる。

 そのため南斗五車星としての務めを半ば放棄していたジュウザだったが、南斗六聖拳最後の将がユリアだと分かると、命を懸けてラオウに立ち向かうことを決意。雲のように自由に生きることを選んだ男を再びつき動かしたのは、かつて愛した女性の存在だったのだ。

 ちなみに「雲のジュウザ」という呼び名は、日本のSFの始祖の1人である作家の海野十三氏(うんのじゅうざ)にあやかってつけられたそうだ。

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