■巧みすぎるバズーカ活用術

 効果的かつ個性的な武装の使い方をするのも、アムロの優れたパイロットとしての資質かもしれない。劇中で印象的だったのは、νガンダムのニュー・ハイパー・バズーカの使用法だ。

 中でも一番衝撃を受けたのはギュネイ・ガスと交戦したシーンでのこと。ギュネイのヤクト・ドーガが発射したグレネード・ランチャーをバク宙のような態勢で回避すると、なんとその態勢のままνガンダムの背部にマウントされていたバズーカを発射したのだ。

 しっかりバズーカを構えることなく、回避動作の流れの中で唐突に発射するというアクロバティックな動きながらアムロの狙いは的確で、ヤクト・ドーガのシールドに見事命中させていた。

 このほかにもアムロはバズーカを投げ捨てるフェイントを見せたり、置いたバズーカをワイヤーで遠隔発射するトリッキーな使い方などを披露。ふつうのパイロットとは一線を画す、柔軟な発想の持ち主だからこそできる芸当に違いない。

■ネオ・ジオンの最新鋭機を含む複数を手玉に

 ニュータイプのクェス・パラヤは、物語のクライマックスで新型の巨大モビルアーマー「α・アジール」で出撃。ギュネイの援護を受けながら、圧倒的な火力でロンド・ベルの機体を撃墜していった。

 そこに出くわしたアムロは、α・アジールの放った複数のファンネルをビームライフルで即座に破壊。その後も最前線で戦い続けるアムロは、ギュネイのヤクト・ドーガ、クェスのα・アジール、さらにギラ・ドーガの編隊などとほぼ同時に交戦するが、数の不利をものともせずにギュネイの乗るヤクト・ドーガを撃破していた。

 しかもこのときアムロは、クェスの乗る機体は極力撃墜しないような動きもあり、アムロとその他のパイロットの圧倒的な力量差が感じられたシーンでもあった。

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