歴代ガンダムに登場する「最強パイロット論争」は、ガンダムファンの間でたびたび盛り上がるテーマのひとつ。その答えは“作品の神”である富野由悠季氏のみぞ知るところだが、ファンの間で必ず名前が挙がる最強候補の筆頭は、やはり初代『機動戦士ガンダム』の主人公「アムロ・レイ」だろう。
そんなアムロの最後の活躍を描いた映画『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』が、5月6日の午前1時59分より『映画天国』(日本テレビ)にてテレビ放送される。そこで今回は、個人的にアムロのパイロットとしての卓越した技量を感じる『逆襲のシャア』の3シーンをピックアップしてみた。
■数的不利の状況でも圧巻のパフォーマンス
物語の冒頭、地球に落下を開始した小惑星5thルナの周囲で、アムロはネオ・ジオンのモビルスーツと交戦。相手はシャア・アズナブルの乗るサザビーと、ギュネイ・ガスの乗るヤクト・ドーガで、どちらもファンネルを搭載したニュータイプ(強化人間)専用機だ。
一方、このときアムロが搭乗していたのはリ・ガズィ。Zガンダムの簡易変形モデル(リファイン・ガンダム・ゼータの略)だが、ネオ・ジオンの新鋭機と違ってサイコミュ兵器は持っておらず、出力パワーなど性能面でも劣っていた。
2対1なうえに機体性能も劣るという危機的な状況にもかかわらず、アムロは冷静にダミーを射出。サザビーのファンネル攻撃を当然のようにかわし、ビームサーベルを手に肉薄するとサザビーのビームライフルを両断する。
さらにギュネイのヤクト・ドーガが放ったビームライフルを避け、反転しながら撃ったアムロの攻撃は的確にヤクト・ドーガの脚部付近とシールドに直撃。明らかに不利な状況だったが、アムロは悠々と離脱することに成功した。
このときのシャアはギュネイを戦域から撤退させるために援護に入ったため、本気で交戦・追撃したわけではなかったが、短い戦闘シーンながらアムロのパイロットとしての高い技量を感じる場面だった。