仮面ライダー50周年に『クウガ』サプライズ企画登場の“一縷の望み”が消えないワケの画像
画像は『仮面ライダークウガ』Blu‐ray BOX第1巻より

 今年4月3日19時30分に、国民的ヒーロー番組『仮面ライダー』第1話放送開始から50周年を迎えた。同日、東映から3つの新企画が発表されたが、現在の「令和ライダー」につながるあの名作についての情報がいっさいなかったのが気になるところだ。

 今回発表となった3つの新企画。1つは故・石ノ森章太郎先生が最後に携わった作品『仮面ライダーBLACK』が、白石和彌監督の手によって『仮面ライダーBLACK SUN』としてリブート。2つ目は、2011年放送の『仮面ライダーW(ダブル)』の正当続編である漫画『風都探偵』(小学館)のアニメ化。

 そして、丸の内TOEIの記者会見で大々的に発表されたのが、庵野秀明監督による2023年公開の映画『シン・仮面ライダー』の製作。いずれも非常に楽しみだし、多くのファンが待ち望んでいたことだが、ここまで来ると逆に『仮面ライダークウガ』について何もニュースがないのが気がかりだ。というのも、今回発表された3作品の原作は、いずれも『仮面ライダー』の歴史の転換期を象徴する作品だからだ。

 まず、『BLACK SUN』の原点である『BLACK』は、カテゴリーこそ『昭和ライダー』に分類されるが、1980年の『仮面ライダースーパー1』以来、6年ぶりのテレビシリーズだった。デザインも、マフラーや手袋・ブーツといったスーツを思わせる造形を廃止し、当時は非常に斬新なデザインだったのだ。翌年の『RX』が製作されるまでは、歴代ライダーとは独立した世界観だったのも、当時は斬新だった。

 次に、『風都探偵』の原作である『W』は、公式に「平成二期」と呼ばれるシリーズの第1弾である。現在の『令和ライダー』の前身である『平成ライダー』は2000年の『クウガ』からスタートした。その後、2009年放送の第10作目『ディケイド』までを「平成一期」、『W』以降を「平成二期」と呼ぶ。「一期」と比べると、変身に使う小物アイテムが増えたほか、奇抜なデザインが増えたのが特徴だ。これが現代の「令和ライダー」につながる。

 最後に『シン・仮面ライダー』だ。これは言うまでなく、初代『仮面ライダー』であり、石ノ森章太郎先生の漫画版『仮面ライダー』だろう。

 こうした転換期を象徴する作品ばかり並んでいるからこそ、がぜん「クウガもリブートされるのではないか」という期待を抱かずにいられない。

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