こんにちは、ゲーム芸人のフジタです。『ドラえもん』『忍者ハットリくん』『パーマン』『キテレツ大百科』『パラソルヘンべぇ』、ディスクカード『プロゴルファー猿』など、ファミコンでは藤子不二雄の漫画を原作としたゲームは数多く、いずれもハズれのない名作ばかりです。
そんな中、藤子不二雄原作ファミコンから最高の1本を選ぶとすれば、『オバケのQ太郎 ワンワンパニック』(バンダイ・1985年)を挙げたい。オバQからは、名作『ぼくきえちゃった』など、液晶つきのLSIゲームでは何作か出ていますが、テレビゲームではファミコンの『ワンワンパニック』ただ1本!
まずその魅力はオープニング曲にあるでしょう。好みはありますが、僕はたとえそれが良曲のオリジナル曲であっても、ゲームの音楽はアニメと同じものを使用してほしい。本作での、アニメと同じ曲に乗り、Qちゃんが登場するオープニングが絶品。この観点では、僕の中で名作初代『ドラえもん』や同じく名作『ハットリくん』よりもポイントが高いんです。
ゲーム内容は、Qちゃんを操って歩いたり飛んだり消えたり、パワーがなくならないように、食べ物を食べ続けて進んで、途中で友だちを助けたり、プレゼントを拾ったりして、ステージの最後にその友だちにあってクリア。全12面構成となっています。
ただこちらのゲーム、難易度が高すぎて、初見だと一面でほぼ100%詰むはず。当時の子どもたちの間では全然先に進めなかったという人も多く、そのため「激ムズゲー」として印象に残っているという人もいるのではないでしょうか。
ですが、簡単に難易度のバランスが悪いなどと言ってはいけません! この頃のゲームが鬼ムズなのには理由があるんです。
ファミコン初期にはわずか数十キロバイトという、現代の写真1枚分よりはるかに少ない容量でゲームを作っておりました。かつ当時のファミカセは約5000円と高価で、誕生日やクリスマスなどのイベント時くらいしか買ってもらえない子も多かった。そんなせっかく買ってもらった高価なゲームを、すぐクリアできてしまってはガッカリされて、それはそれでクソゲー扱いされてしまうのです。
なので、メーカー側もなんとか何度も遊んでもらおうと、コンティニューをなくしたり敵を強くする工夫をこらした。すぐにクリアをさせないようにという涙ぐましい製作者の努力があったのです。