1984年から『週刊少年ジャンプ』(集英社)で連載が始まった、鳥山明氏による不朽の名作『ドラゴンボール』。個性的かつ魅力的なキャラクターたちがアツいバトルを繰り広げる、言わずとしれた国民的アクション漫画だ。
全42巻に及ぶ長編作品ということもあり、作中で月日がたつにつれてキャラクター同士の関係性も変化。中には結婚して夫婦になったキャラクターもいる。リアルでも夫婦のなれ初めや、結婚生活のかたちは多種多様だが、『ドラゴンボール』に登場する夫婦もそれぞれ特徴があって面白い。そんな魅力的な夫婦を原作漫画準拠で紹介していこう。
■天下一武道会で再会後、結婚を即決!
『ドラゴンボール』の夫婦と言えば、まずは主人公の孫悟空とチチから触れるべきだろう。チチの父親である牛魔王は亀仙人の弟子で、悟空とは同門という関係。そんな縁もあって、悟空とチチは子どもの頃に出会っている。
このとき悟空は、チチが女の子であることを確かめるため、股を足で“ぱんぱん”と蹴って確認。この悪気のない悟空の行動に純真無垢なチチは怒りながらも「あんなところを蹴られてはお嫁に行くしかない」と早々と悟空のことを結婚相手として意識していた。
そして悟空との別れ際、チチは「もうちっとおっきくなったらヨメにもらいにきてくれな」と伝え、悟空も「くれるもんならもらいにくるぞ」と返答したのが、そもそものきっかけだ。
それから時が過ぎ、第23回「天下一武道会」で悟空とチチは再会。美少女に成長したチチは本名を隠して大会に出場したが、対面した悟空は彼女が誰だか思い出せなかった。
結局チチが、幼い頃に悟空と結婚の約束をしたことや、牛魔王の娘であることを明かすと、悟空は「じゃケッコンすっか!」とあっさり決断。チチも「んだ!」のひと言で快諾し、その場で2人の結婚が成立する。子どもの頃、悟空は「ヨメにもらう」の“ヨメ”を食べ物と勘違いしていたワケだが、約束をたがえずに即結婚を表明するあたり、なんとも悟空らしい。
その後、悟飯、悟天と2人の子どもにも恵まれ、チチは立派な教育ママに。そして悟空は宇宙最強の男ではあるが、家庭内のパワーバランスではチチの圧勝。何度も地球を救ってきた悟空ながら、チチには頭が上がらないという構図がまた面白い。
そんなワケで作中でも恐妻家をイジられる悟空だが、自爆するセルと死を覚悟して道連れになる直前、息子の悟飯に「母さんにすまねえっていっといてくれ」と伝言。その言葉から妻・チチへのたしかな愛情が感じられたのは私だけだろうか。