かつて『週刊少年ジャンプ』(集英社)にて連載された、80年代を代表する人気漫画『北斗の拳』(原作:武論尊、作画:原哲夫)。アニメを筆頭にさまざまなメディア展開が行われ、いまだに高い人気を誇るアクション漫画の金字塔だ。
その中では魅力あふれる男たちが繰り広げる熱いバトルが描かれ、数え切れないほどの名勝負が存在する。そこで今回は『北斗の拳』の読者が、いまだに忘れられない対戦カードをリサーチ。40代から50代の男性200名を対象に、さまざまな理由から「一番印象に残っている名勝負」を答えてもらった。(アンケートサイト「ボイスノート」協力)
■剛の拳と柔の拳の激突
まず第3位(得票率9.5%)に選ばれたのは、「ラオウ対トキ」の戦い。北斗4兄弟の中で唯一血のつながりがある2人による、まさに運命的な一戦だ。
死の灰を浴び、病に侵されたトキが、死を覚悟して臨んだ実兄・ラオウとの最終決戦。かつてラオウは弟のトキに「自分が道を誤ったら、その手で自分を止めて欲しい」という約束を交わしていた。
世紀末覇者拳王を名乗るラオウと戦うに際し、トキは自らの寿命を縮めて力を得る秘孔「刹活孔」を突き、ラオウと同じく「剛の拳」を得る。これにより、一時トキはラオウを圧倒するほどの強さを見せたが、それも長くは続かず。次第に弱りゆく弟の拳を見たラオウは涙を流し、「効かぬのだ!」と叫ぶシーンもあった。
完全に勝敗は決したが、ラオウは結局トキの命までは奪わなかった。暴虐の王として知られるラオウが、こうした情を見せた点もこの戦いの魅力なのかもしれない。
そんなラオウ対トキの対決を挙げた人からは「漫画の中でもっとも悲しき戦いだったと思う」(45歳・男性)、「これほど“命がけの戦い”の言葉がぴったりのバトルはない」(48歳・男性)、「兄弟のつらくて尊い戦いに感動した」(49歳・男性)といったコメントが寄せられている。