車田正美氏の代表作『聖闘士星矢』は、1985年から『週刊少年ジャンプ』(集英社)にて連載開始。聖闘士(セイント)と呼ばれる戦士たちがそれぞれの守護星座をイメージした“聖衣(クロス)”を身につけ、強敵と戦いを繰り広げた大人気バトル漫画です。
主人公の星矢たちが身につけていたのが青銅聖衣(ブロンズクロス)、その上位には白銀聖衣(シルバークロス)があり、最上位の聖闘士が身につけていたのが「黄金聖衣(ゴールドクロス)」でした。
そのゴールドクロスを所持する12名は「黄金聖闘士(ゴールドセイント)」と呼ばれ、アテナ神殿へと通じる「十二宮」を守護する存在。アテナを守る最強の聖闘士たちということで全員が同じ正義の心を持っているかと思いきや実はそんなことはなく、中でもキャンサー(かに座)のデスマスクはとんでもない極悪非道な行いが話題になったキャラクターでした。
そこで今回は、当時かに座生まれの子どもたちをドン引きさせた、キャンサーのデスマスクの悪役ぶりについて振り返ってみたいと思います。
■かに座の黄金聖闘士とはどんな人物?
「キャンサーのデスマスク」と呼ばれていますが、実は“デスマスク”は本名ではありません。彼がこれまで殺した相手の浮かばれない魂が“死に顔”となり、彼の守る巨蟹宮の壁に浮かび上がることに由来して“デスマスク”と呼ばれています。
巨蟹宮の壁を埋め尽くすほどのデスマスクの数なので、彼はそれだけ多くの人を殺してきたということ。さまざまなタイプがいる黄金聖闘士の中でも、飛び抜けて冷酷かつ無慈悲な男として描かれました。
ちなみにデスマスクの必殺技は「積尸気冥界波(せきしきめいかいは)」。この技を受けた者は肉体と魂が分離し、冥界の入口「黄泉比良坂」送りに……。一撃で相手を葬る強力な技ながら、いかにも悪者が使いそうなダークな雰囲気が漂いますね。
ちなみにデスマスクの本名は最後まで明らかにされていません。