公開から早1週間…『シン・エヴァ』が『エヴァ』ファンに最後に与えたものの画像
『シン・エヴァンゲリオン劇場版』 (C)カラー
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 3月8日に公開された『シン・エヴァンゲリオン劇場版』。その公開初日から早くも1週間が過ぎた。初の土日となった3月13日・14日の2日間の興行収入は11億7744万5400円、観客動員数は76万人。公開初日からの7日間累計での興行収入は33億3842万2400円、観客動員数219万4533人を突破し、好調のスタートをみせた。

『エヴァンゲリオン』公式ツイッターアカウントは15日、シンジが釣りをしたり、アスカがシンジにつかみかかったり、アヤナミレイ(仮称)が木陰で昼寝をするという劇中の「第3村」パートの映像と、アヤナミレイ(仮称)が田植えをする15秒間の動画をそれぞれ解禁した。映画の内容には触れていないものの、前作『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』からの世界観の大きな変化に『シン・エヴァ』未見のファンからは驚きの声が上がった。

 本稿では『シン・エヴァ』のネタバレなしで、早くも映画館に足を運んだファンの感想を集め、そこから『エヴァンゲリオン』がファンに与えたものはなにかについてまとめる。『シン・エヴァ』の具体的な内容には触れていないが、まっさらな状態で鑑賞したいという方は注意してほしい。

 なお、筆者は少しのネタバレも見たくないという理由で、公開初日の7時からの回を予約。30分前に到着した映画館ではすでに劇場販売のグッズを求める長蛇の列があった。印象的だったのは、カップルや10代と思われる若者グループ、アスカとレイのコスプレをして楽しそうに語り合うファンのほかに、これまでも『エヴァ』を何度も見ては噛み砕き、解釈する行為を繰り返してきたと思われる『エヴァ』世代の30〜50代のファンの多さだった。彼らは神妙な面持ちで一人静かに「その時」を待っており、その姿に「己の目で最後を見届ける」という決意を感じた。そうした姿を目にしたことで、筆者もあらためてこれから歴史的な瞬間に立ち会うのだという気持ちになった。

 そうして迎えた『シン・エヴァ』。エンドロールの後には、客席に座るファンたちがまるで使徒が殲滅された際に十字の光の柱を発して消えるように、成仏していくようにも思われた。

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