アニメ『魔術士オーフェンはぐれ旅 キムラック編』最強の暗殺者・クオ役、杉田智和インタビュー「公式で森久保さんと戦えるんだっていうのがうれしい」の画像
『魔術士オーフェンはぐれ旅 キムラック編』クオ役の杉田智和さん
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 2020年、生誕25周年記念として『魔術士オーフェンはぐれ旅』のテレビアニメがスタートした『魔術士オーフェン』(AT-Xほかにて放送中)。今年1月からの第2期では新キャラクターが続々登場し、杉田智和坂本真綾子安武人鬼頭明里ら豪華新キャストの出演も話題になっている。

 1994年に発表された秋田禎信氏による本作は、『ロードス島戦記』や『スレイヤーズ』とならび、今に至るライトノベルファンタジーをけん引した作品のひとつ。当時、夢中になって読み込んだという方も多いだろう。新キャストの杉田も初作のアニメ化から見続けている1人であり、第2期「キムラック編」ではオーフェンの前に立ちはだかる最強の暗殺者・クオ役を演じている。

 物語は中盤にさしかかり、いよいよクオはオーフェンとの対決に動き出す。注目のエピソードを前に、不気味なクオをどう演じたのか。役へのアプローチ、『魔術士オーフェンはぐれ旅 キムラック編』出演の心境などを杉田に聞いた。

■初めての『オーフェン』になる、中高生の反応楽しみ

(C)秋田禎信・草河遊也・TOブックス/魔術士オーフェンはぐれ旅製作委員会

――今回の『魔術士オーフェン』は『はぐれ旅』編のアニメ化になりますが、90年代版『オーフェン』は観ていましたか?

杉田 観ていました。当時は声優になった直後くらいで、勉強のためにいろいろな作品を観ていた時期です。その中で印象に残っているひとつが『オーフェン』でした。そのあと『スウィートジャンクション』というラジオ番組で5年ほど森久保祥太郎さん、森田成一さんと一緒にパーソナリティをして、そのときに話題に出たのはやっぱり森久保さんが出演された『オーフェン』と『メジャー』でした。当時からでもよく森久保さんの真似をしていたんですが、そんな若造がついに公式にオーフェンで森久保さんと戦えるんだっていうのがうれしいですね。

――『はぐれ旅』編は25周年を記念しての再アニメ化です。今も漫画版で新作が出ていますが、『オーフェン』がここまで愛される作品になった魅力はどこにあると思いますか?

杉田 うーん、それは当時好きだったほかの人にも聞いてほしいですね。僕1人の言葉で「魅力はここだ」と提示するのはよくないと思っているし、「ほかの部分は魅力じゃないのか」「これであっているのか」と、自分で出す言葉に不安を持ってしまうんです。一世を風靡した作品なので魅力は山ほどあるし、そこに今ならではの作画や音楽、キャストがあるという言い方はもちろんできます。でも、過去と比較するのはナンセンスだし、比較すること自体が作品に失礼だと思うんです。

 根本的な考えとしては、今のアニメファンにも愛されてほしい、という思いがあります。昔から好きだった人には、「また新作が始まってうれしいな」と喜んでもらえればいいし、20年以上にわたって愛されているという圧倒的な結果がすでにあるわけですから。

――シリーズを見てきた杉田さんにとって、今回の『魔術士オーフェンはぐれ旅 キムラック編』の印象、出演されてのお気持ちはいかがでしょうか?

杉田 過去の『オーフェン』を観ていた経験が無駄じゃないっていうのはありがたかったです。新作だからこれだけを見ればいい、という作品ではないんですよ。過去もあってこその『オーフェン』。そこに対して今回の『魔術士オーフェンはぐれ旅』が新鮮に映ればいいなと思っています。今の中高生にとっては多分、今回が初めての『オーフェン』だと思いますがどういう反応をするのかなっていうのは楽しみですね。

 今おもしろい現象が起きていて、なろう系小説やライトノベルに慣れた若者が、『ロードス島戦記』や『スレイヤーズ』を新鮮だと言うんですよ。武内駿輔くんがレコードを買うのが趣味らしく、理由を聞いたら「すごくオシャレじゃないですか!」って。それに近い感覚で、今世代の子たちに『オーフェン』が刺さってくれたらいいですね。

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