■第2位は社会現象にもなった「キン肉マン」
続いて全体の15.7%の人に投票され、第2位にランクインしたのは『キン肉マン』。原作担当の嶋田隆司と作画担当の中井義則からなる漫画ユニット・ゆでたまごによる同作は、『ジャンプ』で1979年から1987年にかけて連載されたプロレス漫画で、主人公のキン肉マンことキン肉スグルが仲間たちとともに次々に襲いかかる強敵とリングの上で戦う姿が描かれた。
プロレスそのものよりも戦いの中で生まれる友情に重点をおいており、敵の超人が仲間になるのが定番のパターン。また、当初は落ちこぼれだったキン肉マンが、戦っていく中で心技体ともに成長していく過程を描いている。読んでいると思わず主人公たちを応援したくなる王道の少年漫画といえるだろう。
また『ジャンプ』での連載終了後、2011年には続編のシリーズが24年の時を経て、WEB媒体『週プレNEWS』で連載開始。人気を博し、2020年8月からは、雑誌『週刊プレイボーイ』で久々の紙媒体での連載再開となった。今回のアンケートでは、「今の世代の子たちが読んでも純粋に楽しい漫画だと思う」(40歳・男性)、「おじさん世代だけがハマるにはもったいない漫画」(50歳・男性)、「子どもと一緒に連載を追いかけたい」(42歳・男性)、「好きな超人の話を娘としてみたい」(40歳・男性)といった意見が寄せられた。
昭和からスタートし、令和となった現在も新たな戦いが描かれ続けている『キン肉マン』。原作の嶋田氏は2020年4月3日にツイッターを更新し、「キン肉マン再アニメ化応援してくださる方々、クリエーターの方々 ハッシュタグは #キン肉マンアニメ化 でお願い致します」と再アニメ化を呼びかけ話題を集めた。若い世代の読者獲得で、もう一度アニメキン肉マンが見られることを期待したい。
■第1位は世紀末漫画の先駆けとなった「北斗の拳」
そして全体の18.3%の人に支持され、栄えある第1位に輝いたのは『北斗の拳』。同作は原作担当の武論尊、作画担当の原哲夫の2人による作品で、『ジャンプ』で1983年から1988年にかけて連載。世界的な核戦争によって秩序が失われた世界が舞台となっており、その退廃的な世界で主人公・ケンシロウの生き様が描かれたハードボイルドアクション漫画だ。
“男臭い”とも言える熱いストーリー展開が魅力的な作品で、物語の随所に心をくすぐるエッセンスが散りばめられている。ケンシロウと兄・ラオウの確執を描いた話は一見の価値ありだ。また独特のセリフ回しや効果音も人気で、人間が破裂する際に描かれている「ひでぶ」「あべし」「たわば」という悲鳴や、ケンシロウが相手に死を告げる際の決めセリフ「お前はもう死んでいる」などは同作を未読の人でも一度は耳にしたことがあるのではないだろうか。他の作品でオマージュされることもあるので、元ネタを知っておくと世界が広がっていくかも。今回のアンケートでは「必読漫画」(55歳・男性)、「男子だけでなくケンシロウたちの生き様は今の女子にも人気が出そう」(42歳・男性)、「今のシビアな作風のジャンプファンにも受けそうだから」(56歳・男性)といった声が寄せられた。
4位以下も『キャプテン翼』や『Dr.スランプ』など、誰もが一度は耳にしたことがある名作がズラリ。20年以上も前の作品ばかりだが、どれも色あせない面白さがある漫画ばかりだ。時間がある年末年始だからこそ、新しい作品に触れてみてはいかがだろうか。