■いろんなシーンで使えそうな安西先生の名言

 15.7%という圧倒的な得票率を獲得し第1位に輝いたのは、「あきらめたらそこで試合終了ですよ」(『SLAM DUNK』安西先生)。

 井上雄彦氏による『SLAM DUNK』は1990年から1996年まで連載されていた作品で、当時空前のバスケブームを巻き起こすなど、現役のバスケットボール選手へ与えた影響力も大きい作品。

 このセリフは主人公・桜木花道らが所属する湘北高校バスケ部監督の安西光義が作中で2度発言したものだ。1度目は第69話で描かれた、中学時代の三井寿の回想シーンで使用。県大会決勝でラスト12秒で相手ボールとなり、エースだった三井はうちひしがれてしまう。そのときにコート外に転がったボールを拾った来賓客の安西が、「最後まで希望を捨てちゃいかん。あきらめたらそこで試合終了だよ」と声をかけたことで三井は奮起。見事試合に勝利をし、安西のもとでバスケをするために湘北への進学を決意する。

 2度目は第241話、全国大会での最強・山王工業との試合で圧倒的に不利な状況となった桜木に対して使用。36対58という圧倒的点差をつけられ、おまけに後半8分はノーゴール。満足に力を発揮できていなかった桜木はベンチへ一度戻される。チームに敗北感が漂う中、安西が桜木に「私だけかね……? まだ勝てると思ってるのは……」「あきらめたらそこで試合終了ですよ……?」と叱咤し、桜木の武器であるオフェンス・リバウンドこそが逆転への道だと諭すのだった。

 選んだ人からは「つらいときでも頑張ろうと思える」(34歳・男性)、「元気になれるセリフだから」(26歳・女性)、「学生時代、部活や受験で何度も自分を鼓舞した大好きなセリフです」(34歳・男性)、「まさに名言」(43歳・男性)と、人生の格言だとする声が多く集まり、圧倒的な支持を得た。

 上位に上がった作品からは、「わが生涯に一片の悔いなし!!」(『北斗の拳』ラオウ)、「安西先生 バスケがしたいです」(『SLAM DUNK』三井寿)など別のセリフもランクイン。また「おまえもしかしてまだ 自分が死なないとでも思ってるんじゃないかね?」(『幽☆遊☆白書』戸愚呂・弟)や「わたしの戦闘力は530000です」(『ドラゴンボール』フリーザ)などボスキャラのセリフもランクインした。名作マンガには心に残るセリフも多いことがうかがえる。また、若い年代からは『鬼滅の刃』のセリフへの支持も多く、「全集中の呼吸」(竈門炭治郎)や「心を燃やせ」(煉獄杏寿郎)への票も集まった。

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