『鬼滅の刃』や『SPY×FAMILY』で知られる早見沙織が、現在放送中の『聖剣伝説 Legend of Mana -The Teardrop Crystal-』で、もう一人の主人公・セラフィナ役に挑んでいる。
その卓越した表現と美しい声音で、本作のオープニングとエンディングのテーマ曲を歌唱し、その世界観をより魅力的なものに昇華している早見。彼女の楽曲への想いとは。インタビュー後編では、楽曲収録の裏側や彼女の熱い気持ちに迫った。
前編はこちら。
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壮大な物語が紡がれていく様子を歌詞に託した
ーー本作では、オープニングとエンディングを早見さんが担当される点も注目ですが、 まずオープニング曲の『Tear of Will』はどのような想いで作られた曲なのでしょうか。
最初から本作のオープニングテーマとして制作をスタートしていたので、音楽チームの中でも大きな大黒柱は、やはり「聖剣伝説」でした。シリーズをこれまでずっと愛してらっしゃるファンの方々と、この作品からシリーズを好きになってくださるであろう皆さんに向けて、曲を作っていきたいよね、ということで生み出していきました。
ーー「聖剣伝説」の音楽のどんなところに魅力を?
私自身も、ゲームの「聖剣伝説 Legend of Mana」をプレイさせていただいているんですが、やっぱり音楽が本当に素敵なんですよね。その世界観を踏襲しつつ、『Tear of Will』から物語が始まっていく感じを存分に入れられたらいいなと思っていました。
ーー作曲、編曲は気鋭の作曲家・Kevin Penkinさんによるものです。
歌詞は私が書かせていただいたんですが、誰かが誰かを思う強い気持ちの尊さや、その力強い意志を、言葉として入れ込みたいなと思いました。誰かを思う気持ちや思いが交錯し、一つの歴史が作られていくというところはあると思うんです。そういう時の流れや、壮大な物語が紡がれていく様子を一つの楽曲にしたいと意識をしながら、作詞をしました。
ーー特に大切にされたことは、どういったところだったのですか。
色々あるのですが、例えば、作品のイメージが湧いてくるようなキーワードを大切にしました。あとは、視点の部分ですね。私からあなたへ、という視点ではなく、俯瞰的なイメージがフィットすると思ったんです。
ーー作中に登場する、「マナの樹」の視点のようでした!
そうした人の歴史や人が紡ぐものを見つめる神聖さを心に浮かべて歌っていました。