©SQUARE ENIX / サボテン君観察組合
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1991年に第1作が発売されて以来、長きに渡って愛され続けている名作RPG「聖剣伝説」シリーズ。そのシリーズ30周年記念プロジェクトとして、シリーズの中でも熱いファンの多い第4作目『聖剣伝説 Legend of Mana』が『聖剣伝説 Legend of Mana -The Teardrop Crystal-』としてアニメ化され、2022年10月7日(金)深夜より放送中だ。

本作で描かれるのは、宝石を命の核として生きる種族“珠魅”と、彼らの命を狙う「宝石泥棒」を巡る物語。そして珠魅と出会い、彼らのために冒険へ旅立つ主人公の少年・シャイロを演じているのが、原作ゲームのファンでもある声優・島﨑信長だ。

「WEB声優MEN」ではこのアニメ化を記念して主人公・シャイロ役の島﨑信長と、もう一人の主人公・セラフィナ役の早見沙織にインタビューを実施。まずは島﨑に、本作への熱い想いから聞かせてもらった。(全3回)

 

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はっきり言うと、子どもにはよくわからない話をやっている

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――「聖剣伝説」シリーズというと、RPG好きでなくても知っている人も多い、大人気ゲームシリーズですよね。島﨑さんは本シリーズがお好きと伺っておりますが、ぜひその魅力を教えていただけますか。

 

シリーズ全体の魅力というとちょっと難しくて、そもそも「聖剣伝説」って「ファイナルファンタジー外伝」として始まっているんですよね。それが独立して「聖剣伝説」シリーズとなったわけですが、特に有名な『2』『3』『LoM(Legend of Mana)』だけ取っても、別のゲームじゃないか?というくらい方向性が違うんです。きっとそういう挑戦があったから愛され続けているんだろうと思いますね。

 

――では今回アニメ化される『LoM』に限ってですと、いかがでしょう。発売当時、島﨑さんは小学校高学年ですね。

 

魅力というか、僕が好きなところの話でもいいですか? まずこのメインビジュアルを見てもわかるように、それこそ絵本から飛び出してきたようなかわいらしさのある、ファンタジーの王道と言ってもいい世界観じゃないですか。その実、作品内で描かれるのは刹那的な話だったり、シビアな話だったり、哲学的な話だったりする。はっきり言うと、子どもにはよくわからない話をやってるんですよ。

 

――かなり歯応えのある、難解なストーリーなんですね。

 

でも、そこがいいんです。現代はわかりやすさやストレスがかからないことが求められがちですが、『LoM』は説明しすぎないんですよね。こちらの想像に任せてくれるし、「あとは自分で考えなさい」というところもある。それでいてメッセージ性やテーマ性はしっかりあるんです。そしてこのゲームのグラフィックは、2Dグラフィックゲームの完成形と呼んでもいいほどのクオリティ。だから当時の僕は、2Dの大きいキャラクターがガンガン動いたりするのを見て、“すげー!”と思いながらプレイしてました。

そんな風に素晴らしいグラフィックで描かれるかわいらしいファンタジーと、命の奪い合いがあるような殺伐とした世界観。子どもがプレイするゲームでありながら、哲学的なものががっつり練りこまれたテーマ。『LoM』には、そういう相反する要素が奇跡的な配分で入っている。エンタメの作品にはその時代の世相が乗ると言いますから、90年代後半がそういう時代だったのかもしれませんが、こういう挑戦的な作品だから僕の思い出に残っているし、多くの方に愛され続けているのかなと思います。

 

 

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