Kiramune岡本信彦インタビュー(後編)/全楽曲セルフ解説! 人気ボカロ曲のカバーも収録されたアーティストデビュー10周年アルバム『十bilation(ジュービレーション)』を語るの画像
岡本信彦最新アルバム『十bilation(ジュ―ビレーション)』(通常盤)

2012年5月にミニアルバム『Palette』でアーティストデビューを果たした岡本信彦。その彼が、音楽活動10周年というメモリアルイヤーにリリースするのは、オリジナル楽曲や歌い手/ボカロPのカバーソングを収録したフルアルバム! 2回に渡ってお届けするインタビューの後編は、5月25日に発売したセカンドフルアルバム『十bilation(ジュービレーション)』に収録されている楽曲を、岡本さんご自身にセルフ解説してもらいました。

 

※   ※   ※

 

岡本信彦セカンドフルアルバム『十bilation(ジュービレーション)』セルフ楽曲解説!

 


1. 愛憎カタルシス(作詞・作曲:luz 編曲:ケンカイヨシ)


闇の深い病んでいる男が愛を語る曲ではあるのですが、その愛が偏っているという曲です。「ゆがんだ愛を歌で表現してほしい」というオーダーを受けまして、その想いを込めて歌わせていただきました。この曲は、実は2番のサビがないという斬新な構成なんです。だからこそ、「重たい気持ちで歌うのはどうか」など、歌のなかでの表現をどうしたらいいのか、スタッフの方々と話し合いました。いまからライブが心配ではありますが(笑)、当たって砕けろという気持ちでライブでは歌いたいですね。

 

2. ゴーストルール(作詞・作曲:DECO*27 編曲:住谷翔平)


ロックテイストな楽曲ですよね。これはDECO*27(デコニーナ)さんの有名な曲をカバーさせていただきました。レコーディングのときは、かわいそうなキャラクターの孤独をどこかに表現できたらと思いながら、歌いました。ただやりすぎると、お芝居のようになってしまうので、その塩梅を考えるところが大変でしたね。

 

3. クイーンオブハート(作詞・作曲:奏音 69 編曲:前口ワタル)

この曲は奏音 69(カノンロック)さんが率いているバンドの曲なのですが、「歌ってみた動画」でも有名な曲なんです。そして数年前から、いろんな方に「歌ってほしい」と言われていました。童話感のある、アートミュージック的な楽曲で、個人的にも好きな曲でした。2番では、1番とは違う構成からメロディラインが入ってくるんです。ほかにも変化球のあるメロディラインが特徴で、癖になってしまうんですよね。レコーディングのときはとても苦労した覚えがあります(笑)。

 

4. 怪人にKiss(作詞・作曲・編曲:てにをは)

僕がYouTubeで「歌ってみた動画」を投稿させていただいたときに、てにをはさんの代表曲でもある「ヴィラン」を挙げさせていただいたことがあったんです。それと、「ヴィラン」のドラマCDをやらせていただく機会もあって、ご縁がありまして。この曲はどこかコミカルでブラックな歌詞の構成がお気に入りです。てにをはさんは、もともと台本を書いてらっしゃる方というのもあって、言葉遊びがあり、歌詞も深いんですね。そういった意味で、おもしろみのある曲に仕上がっているかなと。楽曲自体は音数が少ないの、歌の上手さが直結して出てくるところが不安でした。でもなんとか歌いきることができました!

 

5.Psy know(作詞:岡本信彦 作曲・編曲:林ゆうき)

「才能」という曲で、これは『僕のヒーローアカデミア』や『ハイキュー‼』の劇伴を担当している林ゆうきさんに作っていただきました。林さんの劇伴で僕がいちばん好きなのは、『ハイキュー‼』の「有精卵」という曲。この曲は「You Say Run」と言葉をもじった歌詞の構成が特徴になっていたので、今回、僕も才能を「Psy know」ともじって歌詞を書きました。今回、いちばん難しい曲で、休符が多いのが特徴なんです。インスト(歌の入っていない楽曲)を聴いたときからカッコいいなと思いました! ちなみに、林さんいわく、ダンスミュージックらしいので、ライブでやるときは踊ったりするのかなと思うのですが、どんなふうにパフォーマンスするかは、ぜひ楽しみにしていてください。

 

6.ロミオとシンデレラ(ロミオVer.)(作詞:岡本信彦 作曲:doriko 編曲:家原正樹)

dorikoさんが作った曲で、ニコニコ動画の初音ミクが流行り始めたときの曲ですよね。とくにその頃、よく歌われていたという印象が強い曲です。ジュリエットバージョンが通常なのですが、今回はロミオバージョンを作ってもらいました。ロミオ=王子=おおかみというイメージで、歌詞も書かせてもらいましたので、ぜひオリジナルと歌詞を聴き比べてみてほしいです。

 

7.BE ALRIGHT SKY(作詞:陽茉莉-himari-(Hifumi,inc.) 作曲・編曲:彦田元彦(Hifumi,inc.))


アニメーション監督の水島精二さんのチームで作っていただきました。水島さんは、『鋼の錬金術師』や『機動戦士ガンダム00』の監督ですが、個人的なお付き合いとして、KiramuneのREADING LIVEで演出をしてくださったときに、よくお話しさせていただきました。アルバムを作る話をしたら、「ウチにも作家がいるからどう?」とおっしゃってくださったので、すぐにディレクターさんに相談しました。「ダンス曲をお願いしたいです」とお話しさせていただいたんですが、出来上がった曲を聞いたときに、爽やかでエレクトリックなメロディーラインがカッコいいなと思いましたね。


8.KING(作詞・作曲:Kanaria 編曲:ヤナガワタカオ)
 

ボカロ曲を歌わせていただくなかで、いろんな方からのリクエストが多かった曲です。みなさんが求めているものとライブでは変わってくるかもしれませんが、この曲をライブで歌うというのも重要なのかなと思います。楽曲の中で笑うところがセリフで入っているのですが、ここは聴いていただきたいところのひとつです。声優として、笑いの変化をうまく出せるように意識しながらレコーディングさせていただきました。歌い方全体に関して、1番はアーティスト・岡本信彦として歌っているけれど、2番は少しお芝居を入れて歌っています。キャラが変わったり、笑うセリフに自分の個性を入れてみました。

 

9.天ノ弱(作詞・作曲:164 編曲:渡辺拓也)

これもリクエストの多かった楽曲です。サビ部分もカッコよくて、儚くて、弱々しい男の子の叫びみたいなものを表現した構成になっています。今回は、『十bilation』用にアレンジを加えさせてもらって、少し壮大な世界観にしてもらったので、ぜひオリジナル曲と聴き比べながら、楽しんでいただきたいですね。

 

10.思い出ミュージアム(作詞:岡本信彦  作曲・編曲:増田武史)
 

この曲は、歌詞に注目していただきたいです。10年間の音楽活動の集大成として、サビ部分では、いままで出した表題曲・リード曲のタイトルをもじってすべて入れ込んでいるんです。これはきっとライブでも盛り上がりそうですね! 歌詞と、いままでの僕の楽曲を振り返りながら、楽しめる一曲になっているはずです。

 

――今後の活動では、どんなことに挑戦してみたいですか。

10周年というのは、“一区切り”というイメージがあるので、これからどうしていこうかというのはまた新たに考えていきたいなと思っていますが、まずは応援してくださる皆さんがいる限り、がんばりたいと思っています。Kiramuneに加入するまでは、アニメ作品を通して皆さんに僕のことを知っていただいていましたが、それとは別で、僕本人を応援してくださる方が増えたのも、アーティスト活動をはじめてからで、とてもありがたいことだなと思っています。両方のファンの方々にさらにあらゆるエンタメを楽しんでもらいたいと思っていますので、今後も、声優活動とともに音楽活動ができたらいいなと思っています。

 

「WEB声優MEN」そのほかのアーティストインタビューはコチラ!

《INFORMATION》

岡本信彦 
セカンドフルアルバム『十bilation(ジュービレーション)』
2022年5月25日発売

 

(豪華盤)
(通常盤)

[豪華盤] ※豪華盤は初回限定⽣産商品となります。
<価格> 7,150円(10%税込)/ 6,500円(税抜)
<品番> LACA-35958
<収録内容> CD(10曲収録)/Blu-ray(“愛憎カタルシス”( MUSIC CLIP)、Making of “十bilation”、TRAILER)/メモリアルブックレット/メモリアルグッズ/スペシャルメッセージカード 

[通常盤]
<価格> 3,080円(10%税込)/ 2,800円(税抜)
<品番> LACA-15958 <収録内容> CD(10曲収録)/メッセージカード(初回⽣産限定封⼊特典)
 

Profile 
岡本信彦 おかもと・のぶひこ
10⽉24⽇⽣まれ。東京都出⾝。B型。多くの⼈気アニメで幅広いキャラクターを演じる実⼒派声優。2009年、第3回声優アワードにて新⼈男優賞を受賞。2011年、第5回声優アワードにて助演男優賞を受賞。 近年の主な出演作:「TIGER&BUNNY2」(折紙サイクロン役)、「可愛いだけじゃない式守さん」(犬束秀役)、「⻤滅の刃」(不死川⽞弥役)、「僕のヒーローアカデミア」(爆豪勝⼰役)、「ハイキュー!!」(⻄⾕⼣役)、「⻘の祓魔師」(奥村燐役)、「グッド・ドクター 名医の条件」(ショーン・マーフィー役)など。