川越一生監督・独占ロングインタビュー(1)『古見さんは、コミュ症です。』/「ギャグシーンだとしても、その子にとっては真剣」であることを大切にしているの画像
川越一生監督・独占ロングインタビュー(1)『古見さんは、コミュ症です。』/「ギャグシーンだとしても、その子にとっては真剣」であることを大切にしているの画像

大人気放送中の『古見さんは、コミュ症です。』TVアニメ2期。コミュニケーションが苦手な女子高生・古見さんを主人公にしたギャグアニメで、監督を務めるのは川越一生さんです。今回は、その制作の裏側にスポットを当てた、インタビューの第1回(全3回)として、川越監督の声をお届けします。

 

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強烈なキャラクターが次々に登場!

 

――話題の2期ですが、その制作が決まった際はどのようなことを思われましたか。


「素直にとても嬉しかったです。『古見さんは、コミュ症です。』(以下、『古見さん。』)は、マンガならではの表現やギャグがかなり多いのでそれをどうアニメで展開していくかが1期の課題でした。従来のアニメの方法で言えば、ある程度の情報を省いて表現した方が楽なのですが、そうすると“『古見さん。』らしさ”は失われてしまう。そのため、『マンガ的なアニメ』というスタンスで、原作の情報量を落とさないよう心掛けていました。個人的に、一種の賭けのような表現手法だと思っていたので、視聴者の方に受け入れてもらえるかどうかが不安でした。長期シリーズにしたい、続けば続くほど楽しくなっていく作品だと思っていたので、2期が決まってホッとしています」

 

――原作の魅力はどのような点に感じられていますか。


「魅力が多すぎて、絞るのがすごく難しいのですが……第一に古見さんをはじめとしたキャラクターたちそれぞれの個性、その濃さが魅力的だと思います。強烈なキャラクターが次々に登場するので飽きることが無いですし、キャラクターが新たに登場するたび “この子はどんな子なのか?”とワクワクする気持ちにさせてくれるところが好きです。
第二に、そのキャラクターたちと古見さんの日常を観測することで、次第にどんなキャラクターたちにも愛着が湧いてしまうところが好きです。これが前述した長期シリーズにしたいと思った最大の理由です。モブみたいな子にも再登場の機会があったり、アクの強い子がブレずに己の道を突き進んでたり…。『あっ、あの巻のあの子がまたでてる!』みたいにキャラに愛着が沸く要素がふんだんに盛り込まれてる作品だと思います」

 

――確かに、学校というコミュニティを活かしながら、キャラクターの魅力がたっぷり詰まった作品です。


「そうですね。シンプルに言えば“出したキャラを活かし続け、くさらせないところ”がすごく魅力的だと思っています。色々なシチュエーションで応援したくなったり、その子のこれからをまた見たくなるようなエピソードがたくさんある。それが長く愛される作品たる一因だと感じています」

 

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